後藤充男です。

 
今、9月8日発行予定の「平成29年9月改訂 驚異の合格率78% 日商商業簿記2級合格塾(セルバ出版)」の初校が終わり、出版社にゲラ原稿を郵送しました。
 
あとは、8月19日頃に、私が校正した原稿をベースに修正されたゲラ原稿が届く予定なので、それを8月25日までに最終校正をして、校了となります。
 
その後、印刷所に原稿が持ち込まれ、9月8日にはれて発行となります。
 
2012年12月18日に処女作(小さな会社の社長さんの簿記の教科書(セルバ出版))が発行され、今回は8冊目の本となります。
 
本が産まれるときは、子供が産まれた気分で、この世に生きた証を残せたという感慨・感動を味わえます。
 
私は、このために生まれてきたんだと言っても過言でないくらいの幸福感です。
 
もちろん、執筆中は苦しいこともありますよ。
 
たとえば、8月10日にゲラ原稿が届き、いきなりスケジューリングが決まってしまいますから、お盆の予定を全てキャンセルして、ほぼ徹夜状態でひたすら校正作業をしました。
 
今回はお盆休みを挟んでいますから、2日間くらいほぼ徹夜状態を乗り越えれば済むことですが、通常時の場合は普段の仕事をこなしながらの執筆ですから、時間的に相当キツイです。
 
私ですらこの状態ですから、週刊漫画の連載を持っている作家さんなんかは、めちゃくちゃ大変だと思います。
 
毎週毎週がその状態でしょうから。
 
ただ、忙しいときというのはイライラしがちですが、終わって作品が世に出てみれば、その時期のなんと尊いこと。
 
物凄く充実感を味わえるときなのです。
 
また、地味にキツイのは、ゲラ原稿に少し空白ができるとき(つまり、ページ余りで、漫画の場合は単行本になったときに作者が手書きでコラムを書いたり、読者からの質問を受けたりするページがあると思いますが、そこの部分です)があるのですが、そこを埋めるネタを考えるのが結構大変なんです。
 
今回は、日商簿記2級には計算問題のみならず、理論問題も出題可能性が出てきたので、理論問題シリーズというのを設定し、かなり多くの理論問題を作りました。
 
この理論問題シリーズを作成するのに時間がかかったという感じですね。
 
また、その空白にコラムなどを書くときもありますが、このコラムはノッてくると一番楽しいところでもあります。
 
どうやら私は、簿記の内容も執筆したいですが、コラムのようなエッセイ・随筆も書きたい欲求が強いのだと認識させられます。
 
コラムを書いているときは、ブログを書いているのと同様に、前のめりになり、フロー状態(つまり、気分が良い状態)になれます。
 
将来、エッセイ・随筆だけの本を出版したいですね。
 
さて、今回は、そのコラムから一つピックアップしてブログにアップします。
 
書きたてホヤホヤです。
 
では、お楽しみください!
 
 今回は、簿記検定試験の功罪について、私見を述べたいと思います。

 

まず、簿記検定によって、多くの人が簿記会計を学ぶキッカケとなり、一気に市民権を得たことは素晴らしいと思います。

 

簿記検定がなかったら、ここまで多くの人が簿記会計を学ぼうとしなかったでしょう。

 

また、かつてオランダが繁栄した理由は簿記会計にもありましたし、フランス革命のキッカケも簿記会計にもありました文藝春秋、帳簿の世界史、ジェイコブ・ソール著、村井章子訳)

 

つまり、国の発展には簿記会計の力もセットなので、大東亜戦争(太平洋戦争)後の日本の高度成長にも、簿記会計の力が後押ししたのは間違いないでしょう。

 

そのキッカケを与えてくれたのが簿記検定であり、この点での貢献ぶりは大変素晴らしいと思います。

 

では、簿記検定が招いた罪の部分はどうでしょうか?

 

私見では、点数至上主義(合格至上主義)になり過ぎてしまった点にあると思います。

 

すなわち、簿記検定の「目的」は合格であり、その「目標」は70点を取ることです。

 

そして、合格の先にある人生をより素晴らしいものにしたい(就転職が成功する、フリーランスとして自分で確定申告ができる等)という願いのようなものを掴むのが、人生の目的のうちの一つなのではないでしょうか。

 

にもかかわらず、合格、合格と結果ばかりに意識が向き過ぎ、合格する人が素晴らしい人で、合格できない人が役立たずという風潮が強すぎなのではないでしょうか。

 

その証拠に、(もちろん超少数ですが)合格を極端に意識する学校や講師は、本試験会場になっていることをいいことに、本試験問題を自分の生徒に事前に解かせることで合格率をアップさせるなど、教育者としてあるまじき行為を行ってしまった人間もいます。

 

点数至上主義に偏った人間は、人間の醜い部分が露出しやすいのです。

 

では、簿記会計の世界に身を置くものとして、仕事上、最も大切なことは何でしょうか?

 

それは、嘘をつかないことだと思います。

 

この具体的なエピソードとしては、(現代に合わせた簿記会計の手法としての良し悪しは別として)結城虎五郎の簿記会計への考え方(小学館、大東亜論 巨傑誕生篇、小林よしのり著、190~191頁)が素晴らしく、私はとても感動しました。

 

私は、点数を取るための簿記講義だけでなく、会計人としての心構えを伝えるのも、簿記講師の役目だと思っています。

 

以上の私のメッセージから、あなたは何を感じるでしょうか?