本日の私の仕事は、9月8日の法人税セミナーの原稿作りと講師育成(初学者への簿記の教え方等)でした。


 一人は公認会計士論文式全科目合格者のI君(21歳・男)。


 もう一人は、3月11日に私の日商簿記3級講座を受講し、6月13日の日商簿記2級に合格したYさん(20代女性)。


 まだ二人ともセミプロ講師なので、集団講座ではなく、1:1の完全マンツーマン講座のみの担当ですが、将来的には、私の代わりに集団講座も任せようと思っています。


 資料準備等の作業的な段取りは、あえて少し先輩であるI君にYさんの研修をさせることにしました。


 なぜなら、その方がI君が必死に段取りを覚えるし、YさんのミスはI君のミス(最終的な責任は全て私ですが)となる以上、I君に責任感が生まれるからです。


 結果、大成功でした。


 I君はほぼ完璧に段取りを覚えたし、Yさんはもともと真面目なのでメモを取りながらシュミレーションしてくるから大丈夫でしょうし、私の原稿もほぼ8割終了できました。


 もともと、私は他人に任せられない性格で、何でも自分でやらないと気が済まないタイプです。


 しかし、そうすると、自分の仕事が進まないし、何より、部下が育ちません。

 

 その結果、いつまでも私一人でしか仕事ができず、生産性の高い仕事を生み出せません。


 でも、思い切って部下に仕事を任せることで、部下も育ち、私も私しかできない仕事に集中できます。


 最後は自分が全責任を取ると腹をくくれば、部下に仕事を任せるのは簡単なんですね。


 それを、今さらながら学びました。


 そして、I君はもちろんですが、Yさんも、場数を踏めば、いい簿記講師になりますね。


 そう感じた理由は、次の質問をしたときに、その回答が簿記講師の意識として、素晴らしいものだった点にあります。


 私は、「生徒からお金を貰うことに後ろめたさを感じますか?もし、感じるなら、講師料はいらないということですか?」と質問しました。


 すると、二人別々に、同じ質問をしたのですが、I君もYさんも、「正直、自分の経験の浅さでお金貰っていいのかという後ろめたさはあります。だからといって、無料では生活ができないので困ります。したがって、自分ができることは、生徒さんが受かることだけを考えて、一生懸命に予習・研究し、少しでもわかりやすい教え方を身につけることです。」と答えました。


 その通りなんです。


 そして、簿記講師は、新人の方が、ベテランよりも、合格実績を上げることができるという現象が起きやすいのです。


 これは、新人の簿記講師は一生懸命に教えるため、その情熱が生徒さんに伝わり、生徒さんは「こんなに一生懸命教えてくれているのだから、受からないと申し訳ない」と感じ、むちゃくちゃ勉強するようになります。


 まさに、ランチェスター経営の栢野さんのおっしゃる、「本気はワザを超える!」です。


 また、お金をもらうことで、講師も生徒も真剣になります。


 ポイントは、生徒さんが「少し高いな」と思う価格設定です。


 高すぎてもぼったくり感が満載になりますし、安すぎても「まあ、安いし落ちてもいいか」と甘えが出るのですね。


 そして、最後に、Yさんはこう言いました。


 「不安もありますが、講義が楽しみです!」と。


 そう、それです。


 まず講師自身が楽しむ事。


 そうしないと、生徒さんは絶対楽しめません。


 もちろん、受験勉強はきれいごとばかりではないので、時には厳しく、半強制的に復習を促すような指導も必要です。


 しかし、基本は講師が講義自体を楽しむこと。


 子供の時、遠足の前日にテルテル坊主を作り、明日を心待ちにした感覚で、講義日を迎えること。


 細かい注意点はたくさんありますが、「講師自身が楽しむ事」。これに尽きます。


 その心構えが出来ていたので、私は一安心しました。


 あとは、1に場数、2に場数、3・4も場数で、5も場数です。


 場数を踏み、反省・確認して、次の場数を迎える。


 それしかありません。


 二人とも、私にお金を払って、私に簿記を教わりました。


 今度は、私がI君やYさんに稼がせるのが仕事となります。


 そこで講師育成のノウハウを積んだら、私は、簿記講師を研修する講師をしたいと思っています。


 私とI君・Yさんは、お互い、日々精進の関係ですね。


 教え教えられ、士塾の教室は、男女問わず、現代のサムライを育てるパワースポットとして輝いていきたいと思います。