数年前、親友の女の子が死んじまった。
ガンでね。
ガキの頃、よく一緒に遊んだ。
渋谷、六本木でね。
俺が街でイキがってたころ、
別の友人に誘われて、
その子たちが主催するイベントに呼ばれてさ。
ワシントンホテルの一室で、
高校生ながら、
彼女は大勢の人々を前に、
演説してた。
「今、街では男たちが、
様々なイベントをして盛り上がっていますが、
私たちも負けてはいられません。
一人ひとりは弱いけど、
みんなで力を合わせれば、きっと・・・」
それから仲良くなって、
そして一緒に遊び、
旅行にも行き、
そして彼女は逝っちまった。
通夜、葬式、49日を終え、
俺たち仲間内で、
「出来るだけ一年に一度集まろう。
彼女の好きな多摩川で、
彼女を思い出し、
花見をしよう」
って約束した。
だが、
今年はどうも無理だった。
俺は予定がつかなくて。
そしたら、
仲間たちも「今年はやらない」って。
オイオイ、そりゃあねぇよ。
そこで、
「みんなで集まろう」って声を発した。
すると、花見が決行された。
さっき、仲間から電話があった。
「オイ!
主催者はいつ来るんだ?」
って。
俺は言ったよ。
「主催者が必ず来るとは限らないだろ」ってね。
昔、自分の誕生日も、
バックレタことあったな。
まぁ、いつも通り、
笑って許してくれよ。
きっと彼女も、
みんな集まって喜んでいるはずだ。
来年は行くようにするから、
あの思い出の桜を見に。
追伸、
もう相撲取りを連れて来ても大丈夫です。
花見に相撲取り、粋な組み合わせだね。