このように、自由無く、暴力が蔓延する一方で、
中国には実は平等もありません。
経済体制は資本主義化しておりますが、
相変わらず政治体制は共産主義であるというのに、
共産主義には絶対になくてはならない、
医療などの社会保障が何もありません。
しかも経済の自由化が始まったことで、
本来は共産義国家にいるはずもない失業者がたくさん生まれて、
貧富の差が拡大し続けています。
しかも中国国民は生まれた時に、
「都市戸籍」と「農村戸籍」に分けられ、
生まれた時からすでに不平等が始まります。
戸籍によって中国国民は、国内を自由に移動することさえできず、
農村戸籍の人が都市に行って働こうとしても、
見下されたり、蔑まされることも少なくありません。
日本の江戸時代より厳しい状況が、現在、隣の国にはあるのです。
賄賂や不当な重税に反発した農民が裁判所に抗議しても、
腐敗した役人たちによって、簡単にもみ消されてしまいます。
ですから最近の中国では、政府に抗議するために、
あえて人目のつく天安門広場などで焼身自殺する人もいるほどです。
また人口が増えすぎてしまったために、
中国政府は「一人っ子政策」を行ったことで、
戸籍を持たない人、「ヘイハイズ(闇の人)」が増えています。
もちろんそうした人々は、学校に通うことも、銀行の口座を作ることもできません。
あるいは犯罪、売春、麻薬が増え続け、HIV患者も急増しておりますし、
その他にも中国は、経済発展に伴って、
恐ろしいほどの環境汚染を行い続けています。
中国政府は、地方の農地を人々から強引に奪い取り、
その土地を工場に変えて利益を上げています。
農地を失った人々は、その工場で働くしか生きていく道がありません。
彼らは最低限のギリギリの賃金しかもらえないために、
必然的に一部の人間だけが、
ますます儲ける仕組みになっているわけです。
そうしたことから、
中国の都市部では豊かな富裕層が生まれている一方で、
農村部には餓死者さえ出ていて、
暴動が多発しています。
実は中国では一年間に、十万件近くも暴動が起こっています。
これは「一時間に十件ほど暴動が、中国のどこかで起きている」ということです。
そうであるにも関わらず、政府は軍事費ばかり拡大し続けて、
ついに軍事費が世界第二位となり、
軍事国家の道をひたすら突き進んでいます。