こうして第二次世界大戦が終わると、
世界は自由主義と社会主義に分かれて、
戦争につぐ戦争を繰り返した。
これがいわゆる冷戦時代だ。
アメリカは「世界の警察」を名乗り、
アメリカに従わない国に対して、
な~んと、なんと、二百回以上も外国に軍事介入している。
お金や武器を支援して、
裏で関わっていた戦争も数知れない。
「世界の警察」を名乗っているから、
当然のことながら、
たてまえ上は「正義という名のもとに」と、
最もらしい理由をつけるが、
しかし現実は、たとえばドミニカ共和国のように、
たとえ選挙で選ばれた大統領であろうが、
その政権がアメリカ寄りでなければ、
クーデターを行わせ、
それに歯向かう罪無き民衆は、
アメリカ兵に撃ち殺される一方で、
リビアのように、たとえ独裁政権であろうとも、
安い値段で石油の権利を譲ってくれる国に対しては、擁護する始末だった。
あるいは南アフリカのように、
「アパルトヘイト」という人種差別政策を行っている国でさえも、
アメリカ寄りであるならば手を組み、
ネルソン・マンデラのように人種差別撤廃を訴えて、
のちにノーベル平和賞を貰うような人が、
アメリカからは「テロリスト」扱いされちまう。
だから冷戦時代というのは、
アメリカとソ連という超大国が、
世界の権力トップの座を巡って、
縄張り争いを行っていたわけだ。
しかもアメリカとソ連は、
互いに核ミサイルを向け合っているために、
冷戦の緊張状態が頂点にまで達した時、
実は草木一本残らない地球絶滅の危機にまで、
人類は一度いっちまった。
これが二十世紀が「戦争の世紀」である証だ。
しかし共産主義の国々が次々に破綻し、
1989年にベルリンの壁が崩壊することで、
「冷戦の時代」も一応終わりを迎えた。
ほいじゃあ、それから約20年の歳月が経ち、
世界に本当の平和が訪れたのかといえば、もちろんそうじゃない。
なんたってオイラたち人間は、
アホだから。
第二次世界大戦が終わり、
「世界は完全に平和になった」
と考えているならば、どうか知って欲しい。
まだ世界は進歩の途中にあるということを。
とくに、この東アジアは平和ではないということを。
大航海時代、
帝国主義の時代、
そして冷戦時代が終わっても、
まだ世界は利益を巡って奪い合い、
そして争っている。
この時代を、小林よしのり氏は、
「情報戦争の時代」と呼んでいる。
それはまるでトランプのポーカーでもするかのような時代だ。
あるいは羊の顔をして、狸と狐が化かし合うような時代だ。
つまり核兵器という脅しとハッタリを混ぜ合わせながら、
外交のカードを次々と切り合う時代だ。
そして強引に権利を主張したり、
政治的宣伝活動(プロパガンダ)を行ったり、
あるいはスパイ活動(工作活動)を行ったり、
合法的に物事をお推し進めて、
利益の奪い合うことが今でも行われている。
たとえば真相は未だ闇の中だが、
2004年、上海総領事館に勤める一人の日本人が遺書を残して自殺した。
その日本人は中国政府による「ハニートラップ(蜜の罠)」にかかっていたという。
ハニートラップとは、
男性である政治家や官僚に対して、
美しい女性が歩み寄ってきて誘惑し、
そして性的関係を持つことで取り込んでしまうか、
あるいはこれを弱みに脅迫して機密情報を探るスパイ活動のことだ。
かつてのソ連が得意とした諜報活動で、
アメリカなどでは、政府関係者に対して、
きちんと対策を教えているそうだ。
あるいはマネートラップというものもある。
金品を贈ることで、
相手国の要人を取り込んだり、
それを弱みに付け込んで脅すスパイ活動のことだ。
かつて金丸信という政治家が、
北朝鮮を訪れた際に金の延べ棒をもらい、
代わりに拉致事件をもみ消そうとしていた、
という噂がある。
実際に別の容疑で金丸氏の家が家宅捜索された際、
国印の無い金の延べ棒が見つかった話はあまりにも有名だ。
個人にしてみれば数億円というお金は大金だが、
しかし国家にしてみれば数億円は小銭。
小銭で自分たちの息のかかった政治家を、
敵国内に作れるのならば、これほどの利益はない。
そうした中で、1995年、中国の李鵬首相(当時)は
「日本などという国は20年後、
30年後にはこの地球上から消えて無くなる」
と発言した。
そしてそれからすで既に十数年の月日が経った。
ならば数年から数十年後には、
この日本は地球上から消えて無くなるわけだ。
今現在、日本で平和に暮らしている人からすれば、
誰もが「そんなバカな?」と感じることだろうが、
しかしこれは事実だ。
マスコミも取り上げていないので、
多くの人が知らないことだが、
しかし多くの方々が実は色々な形で、
「日本は今、大変な時期にある!」
と必死になって訴えている。
しかしその声は虚しく、
芸能ニュースやスポーツニュースなどによって、
かき消されてしまっている。
今、本当に日本は合法的に中国に奪われつつある。
それはアメリカよりも中国と親しくする民主党が政権をとったからだ。
民主党が推し進めている
「外国人地方参政権」、
「一千万人の中国移民受け入れ政策」、
そして「都道府県といった地方の力拡大」、
もしもこの三つがセットで行われたら、
中国政府はやがて、
日本の政治を支配していくことができてしまう。
日本にいる韓国人・北朝鮮人の方々は、
日本に帰化したり、亡くなったりしているために、
実は毎年一万人単位で減っていて、
「やがて全て日本人になるのではないか」
と言われている一方で、
実は中国の方々は、毎年一万人単位で増えている。
しかも孫子の兵法に、
「始めは処女のごと如し、敵人、戸を開く、
後にはだっと脱兎の如し、敵人、防ぐにおよ及ばず」
という言葉があるように、
今の中国は、まだ表向きには羊の顔をしていて、
一万人単位で中国人が増えているけれども、
しかし民主党が推し進めている外国人参政権と「移民受け入れ」
という政策が行われて、
日本が戸を開いてしまえば、
中国は狼のように変貌を遂げて、
数十万、数百万、数千万単位で、移民を送り込んでくることだろう。
実際にチベットやウイグルにおいても、
もともとはチベット民族やウイグル民族のほうが多かったのだが、
しかし中国政府が人口の多さにものをいわせて、
漢民族の大移動を奨励したことによって、
実はチベット民族やウイグル民族の人口比率が下がっている。
十三億以上もの人口を誇る中国にとって、
民族を大移動させて、
人口比率を下げて、
そして自国の領土へと変えていくという作戦は、
実は得意中の得意なやり方なんだ。
2009年7月5日、ウイグルにおいて暴動が起こった。
あるジャーナリストによれば、
中国政府はアメリカの人工衛星から監視されないために、
あえて街を一斉に停電にして、暗闇の中で、銃声を鳴らし続けたそうだ。
「暴動鎮圧のために拉致された者、
殺された者を合わせて、一万人のウイグル人が、一夜にして姿を消した」
と言われている。
実はこれは天安門事件の時も同様だが、
中国政府は国際社会の批判を避けるために、
たとえ大勢の人間を殺しても、
すぐさまその死体を片付け、
そして人の血で汚れた街をきれいに洗い流す。
そのために、殺されたのか、それとも拉致されたままなのか、
それが分からない。
そのために天安門事件の時も、
ウイグルでの暴動鎮圧の時も、
大勢の人間が「行方不明者」という形になってしまうんだ。
だから夫はどこに行ったのか、
息子は死んでしまったのか、
恋人は生きているのか、
それが分からずに苦しむ人が、
今も昔も、あの国は後を絶えない。
確かに日本は、「チェンジ」を目指すアメリカからも、
いつの日か独立を果たさなければならないが、
しかし迫る中国の脅威にも備えることこそ、今は急務だ。
なぜなら、中国は未だに「中華思想」に取りつかれてるから、
だから今でも、「中国」って名乗ってらっしゃる。