そんな時、彼女が同時進行である男性のブログを見つけました。
それはボランティアで精子提供をされている方のブログでした。
彼女「ちょっと読んでみて。すごく文章が素敵な人なの」
彼女は何故か文章作りの好き嫌いがあるらしく、文章からその人をなんとなく読み取っているのです。
いや、彼女だけでなくみんなそうかも知れませんね。
その人のブログを会社の行き帰りに読んでみました。
確かに読み取る感じではとても誠実な印象を受けました。
何故ボランティアでそのような事をされているのかの経緯をはじめ、現段階の自身の活動や状況報告など書いてありました。
何食わぬ顔で毎日会社へ行き仕事をし、側から見たらいつも変わらない私。
精子提供について調べてるなんて会社の仲間達はもちろん知らない。不思議な感じ。
しかし、行動と裏腹に内心は大きく変わり出している自分自身が受け止められない自分もいました。
「本当に子供産むの?」
「本当に育てられる?」
やっぱりどうしても現実味が湧かない!!
するとこんな私の感情も生まれはじめたのです。
「彼女と別れる事がもしかしたら一番いい選択なのかも知れない」
彼女を失いたくない気持ち、反面、一緒に子供を持つことへの莫大な不安。
本音を言えば、子供はいらない、彼女さえいればそれでいい。
でもそう言うわけには行かない。
となると、ここは身を引くことも選択肢の一つではないか。
彼女が男性と結婚すれば、子供を持つ事は世間から見てもいわゆる普通のこと。むしろ喜ばしい事。
同性同士で子供を持つ事は壁しかない。
時にはつきたくない嘘だってつかなければならないだろうし、堂々としていたくても隠さなければならないこともたくさんあると思う。
昔から彼女はよく
「同性婚が認められたらなぁ」
と口癖のように言っていました。
私は他人事のように聞いていました。
何故なら、目先のことしか考えない私だからです。今が幸せだからそれでいいじゃん!と。
彼女はそしていつもこんな事を言っていました。
「今だけではダメなの。これから将来考えると不安だよ。もし万が一maruちゃんに命の関わるような事があっても私は友達でしかないから側にいること出来ないんだよ!扶養だって入れないし、保険だって受取人にできない。どんなに2人が恋人でも友達止まりで何もできないんだよ」
でもこの時初めて法で守られることの重要さを感じました。
そう言う彼女と別れると言う選択肢が私の中で芽生えたことの悲しさも大きく、考えると涙が出てきたのです。
この気持ちを彼女に言うべきか言わぬべきか悩みました。