ブログネタ:女子、何歳まで?
参加中【タカシ】・・・・絶対に逃がさない・・・・
アタシから、預金も。仕事も、猫も・・・・すべてを奪い、アタシを地獄へ叩き落し、アタシの生活を一変させた最低の詐欺師。その男の乗るタクシーを追いかけながら、心のそこから湧きあがる感情に身を任せた。
【げにこれこそ、滴る蜜よりはるかに甘きもの、人々の心に広がりゆく・・・】
アリストテレスの【政治学】で、こう表現されていた感情、それは【怒り】だ。怒りは心を奮い立たせ、怒りは力をみなぎらせ、怒りはすべてを忘れさせ、怒りは・・・自分自身を麻痺させてくれる。もう、怒り以外の感情は湧き上がらない。あきらめと絶望と、苦痛と不安、もう自暴自棄になりかけた今のアタシには、復讐以外の道はない。
前方のタクシーは、青梅街道を中野坂上方面へ。山手通りとの交差点を右折してそのまま北上した。しばらく行くと早稲田通りを横断し、新目白通りにぶつかるちょっと前、西武新宿線【中井駅】の先で左に折れて住宅街をやや進み、高級そうなマンションの手前で止まった。道が狭くやり過ごせないので、アタシもそこでいったんタクシーを降りる。
そのマンションのエントランスに、【タカシ】と水商売風な女は消えた。見つけた。こんな所に住んでたんだ。盲点だった。以前【タカシ】が住んでいたのは東中野、やはり一度土地勘を持ったあたりに人は戻ってくる。もう、逃がさないわ。
一応マンションの玄関扉を開けて集合ポストを確認する。名前は出ていない。さすが詐欺師。でも、このマンションは確か分譲価格が億近かった高級マンションだ。管理会社へ確認すればいい。その手の専門家への伝はいくらでもあるから。
マンションから離れ、タクシーを捕まえなおそうと山手通りに戻ろうと階段を下りる。この辺は坂が多い。右手に【林芙美子記念館】が見えた。【タカシ】の【放浪記】の終着としては皮肉な場所だ。こんな所に居を構えていたなんて・・・。
山手通りでタクシーを捉まえて家路に着く。どうやって復讐するか・・・・。
裏ルートを使って【タカシ】の情報を集める。今は【姉大路(アネオオジ)清麻呂(キヨマロ)】と名乗ってる。公家っぽい偽名で女を欺き、根こそぎ奪って消えていく。どうせ消えていくのなら、永遠に消えてしまえば良いのに・・・。
夜店に出る。空き時間に猫に餌をやる。お前は何故ホストクラブなんか襲撃したの?そっと問いかけてみるが、猫は黙々と餌を食べる。その姿を見ていたら・・・・。
思い出した。この猫は・・・・アタシが捨てた猫だ。食べるときの仕種、顔の洗い方、今までなんで気づかなかったんだろう?獣医のもとで抜いた爪も、見事に復活していたから?
「リュウノスケ・・・・・」
名前を呼んでみる。そうすると、不思議そうな顔でこちらを向く。でもまたすぐに俯いて顔を洗い始めた。そうだ・・・この猫はリュウノスケだ。アタシが捨てた・・・またアタシとめぐり合っていた。それも2年も前から・・・。
怒りがまた蘇ってきた・リュウノスケとアタシの一番幸せだった時期をぶち壊した男への復讐心。女子として一番輝き、脂がのる27歳からの転落・・・・。もう、三十路を過ぎてしまっては、表の世界に戻ってもやり直しは難しい。アタシの人生は、復讐することで充実させる。帰る世界も、戻る道も、もはやないのだから・・・・。








