日暮れて尚道遠し (旧:皐月十五ちばる) -38ページ目

日暮れて尚道遠し (旧:皐月十五ちばる)

断捨離と運気アップを図って残りの人生を爆走する

女子、何歳まで? ブログネタ:女子、何歳まで? 参加中


【タカシ】・・・・絶対に逃がさない・・・・


アタシから、預金も。仕事も、猫も・・・・すべてを奪い、アタシを地獄へ叩き落し、アタシの生活を一変させた最低の詐欺師。その男の乗るタクシーを追いかけながら、心のそこから湧きあがる感情に身を任せた。


【げにこれこそ、滴る蜜よりはるかに甘きもの、人々の心に広がりゆく・・・】


アリストテレスの【政治学】で、こう表現されていた感情、それは【怒り】だ。怒りは心を奮い立たせ、怒りは力をみなぎらせ、怒りはすべてを忘れさせ、怒りは・・・自分自身を麻痺させてくれる。もう、怒り以外の感情は湧き上がらない。あきらめと絶望と、苦痛と不安、もう自暴自棄になりかけた今のアタシには、復讐以外の道はない。


前方のタクシーは、青梅街道を中野坂上方面へ。山手通りとの交差点を右折してそのまま北上した。しばらく行くと早稲田通りを横断し、新目白通りにぶつかるちょっと前、西武新宿線【中井駅】の先で左に折れて住宅街をやや進み、高級そうなマンションの手前で止まった。道が狭くやり過ごせないので、アタシもそこでいったんタクシーを降りる。


そのマンションのエントランスに、【タカシ】と水商売風な女は消えた。見つけた。こんな所に住んでたんだ。盲点だった。以前【タカシ】が住んでいたのは東中野、やはり一度土地勘を持ったあたりに人は戻ってくる。もう、逃がさないわ。


一応マンションの玄関扉を開けて集合ポストを確認する。名前は出ていない。さすが詐欺師。でも、このマンションは確か分譲価格が億近かった高級マンションだ。管理会社へ確認すればいい。その手の専門家への伝はいくらでもあるから。


マンションから離れ、タクシーを捕まえなおそうと山手通りに戻ろうと階段を下りる。この辺は坂が多い。右手に【林芙美子記念館】が見えた。【タカシ】の【放浪記】の終着としては皮肉な場所だ。こんな所に居を構えていたなんて・・・。


山手通りでタクシーを捉まえて家路に着く。どうやって復讐するか・・・・。

裏ルートを使って【タカシ】の情報を集める。今は【姉大路(アネオオジ)清麻呂(キヨマロ)】と名乗ってる。公家っぽい偽名で女を欺き、根こそぎ奪って消えていく。どうせ消えていくのなら、永遠に消えてしまえば良いのに・・・。


夜店に出る。空き時間に猫に餌をやる。お前は何故ホストクラブなんか襲撃したの?そっと問いかけてみるが、猫は黙々と餌を食べる。その姿を見ていたら・・・・。



思い出した。この猫は・・・・アタシが捨てた猫だ。食べるときの仕種、顔の洗い方、今までなんで気づかなかったんだろう?獣医のもとで抜いた爪も、見事に復活していたから?



「リュウノスケ・・・・・」



名前を呼んでみる。そうすると、不思議そうな顔でこちらを向く。でもまたすぐに俯いて顔を洗い始めた。そうだ・・・この猫はリュウノスケだ。アタシが捨てた・・・またアタシとめぐり合っていた。それも2年も前から・・・。



怒りがまた蘇ってきた・リュウノスケとアタシの一番幸せだった時期をぶち壊した男への復讐心。女子として一番輝き、脂がのる27歳からの転落・・・・。もう、三十路を過ぎてしまっては、表の世界に戻ってもやり直しは難しい。アタシの人生は、復讐することで充実させる。帰る世界も、戻る道も、もはやないのだから・・・・。

今の携帯電話、どのくらいの期間使ってる? ブログネタ:今の携帯電話、どのくらいの期間使ってる? 参加中

昨日は大興奮で【i-Phone】にはまりながら、今日はすでに飽きてしまった【野比のび太】です(嘘です)

ちっ、所詮はがんがんアプリ買いまくらないと、楽しくない奴だったのか・・・まぁ、I-Pod兼カメラで使う気だったからそれで良いけどね♪

うむ。Wi-Fiで使うと早っ・・・・PCの方が立ち上がりやウィルス対策で重くなってるから、余計早く感じます。Wi-Fiだとペタも携帯表示されてないし、あとは折りたたみワイヤレスキーボード買えば・・・PCは【i-Phone】のメンテナンス以外に必要ないじゃん・・・・なんか一気にハイテク化してしまったなぁ・・・・。

で、またネタ蔑ろにしてるね・・・・。今の携帯・・・はまだ二日目さぁ。

その前のは、約4年。大体1年おきぐらいに交換してたんだけど、なんかこの4年はまったく最新型に興味が感じられなくてね・・・・多分壊れなかったら今も使ってるんじゃないかな?

壊れたというか、バッテリーがいきなり破裂寸前まで膨らんじまって、もうケースはまらないし、バッテリーずれると充電用のコードつないでもまったく使えないし、困ったもんだ・・・さてどうしようかなと思ったら、【i-Phone】が実質ロハ(料金の割引とi-Phoneの代金が相殺)だったのでこっちにしてみました。

ぶっちゃけ、音楽聴きながら料理して、タイマー使って麺をゆで、出来上がったものの写真を撮るまで一個でこなせるから、便利っちゃ便利やね。今の所は不満はないし。

でも、もう飽きた・・・アプリ増やさないと遊べないっちゃ遊べないし・・・・。

まぁ、こんなもんかいな・・・・?この文字数じゃ、白星かな?困ったもんだ。




Dear All


本日も予想最高気温36度の群馬在住の、七武海【鷹の目】ことミホークです(嘘です)


あちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ、チタマ(地球)はいったい何が不満なんでしょうね?ボクらに八つ当たりされても困ります。そろそろ暑くなった怒りを静めてもらわないと身がもたねぇ・・・・。


自宅でエアコン使うと電気代がかかるので(ドケチ)図書館に逃げ込んで、しばらく涼んでいたんですが、その時こんな本を見つけました。

一流料理人が考えた納豆かけごはん
¥780
楽天

↑なんじゃこら、こんな暇なこと考えて何が楽しいんだ?(ヲイ)とぺらぺらめくってると、【宇佐美秀之】さんという、イタリアンのシェフの考えたレシピに、当然のように【オリーブオイル】と【納豆】の宿命的な出会いが設定されているじゃあーりませんか・・・・。やすが、時代の最先端を突っ走る男オレ(ヲイ)発想は間違ってなかったんですな♪


まぁ、お暇なら読んでみるのも楽しいかもしれませぬ。


でわ・・・・。

苗字と名前、どっちで呼ばれることが多い? ブログネタ:苗字と名前、どっちで呼ばれることが多い? 参加中

「たくさん食べてね」



この、昔飼ってたアメリカンショートヘアに似た野良猫に猫缶をあげ始めて、もう2年が過ぎようとしていた。一時期はこの猫の子分も10数匹来ていたけど、歌舞伎町で野良猫がホストクラブを襲撃する事件があって野良猫狩りが行われた為、今では野良猫もめっきり少なくなった。この猫はよく生き延びてくれたと、安心もした。



「貴方見てると、昔を思い出すわ・・・・」



3年前まで外資系証券会社で支店長秘書をやっていた。20代でも月の報酬は残業代込みで50万円近くあり、生活は充実していた。西新宿に1LDKのマンションを借り、猫と一緒に不足の無い生活を送っていた。表向きは・・。



偶々知人の紹介で知り合った、30代半ばの、自称IT企業社長の【タカシ】に出会うまでは。紳士然として包容力があり、人当たりも優しく、イケメンなダンディ。【タカシ】は、猫では埋められないアタシの心の隙間に入り込んで、すっかりアタシを虜にしてしまった。



猫アレルギーだという【タカシ】、アタシは決断を迫られる。愛すべき猫を取るか、【タカシ】を取るか・・・猫を捨てるやつはロクデナシだと思ってきた。アタシもロクデナシに堕ちた。ゲージごと、夜明けの歌舞伎町の、バッティングセンターの隣に置いて来た。その後の猫の行方は知れない。



でも、【タカシ】はとんでもない男だった。会社の経営が微妙だといっては、アタシからお金をせびるようになった。最初は10万円単位、最後は預金全部根こそぎ持っていかれ、のみならず気が付けば2000万円の根保証人にまでされていた。そして、ある朝【タカシ】は消えた。



後に残されたのは、すかんぴんのアタシと2000万円の、悪い筋からの借金、アタシは風俗に・・・・売られる寸前に、今の店のオーナーに拾われた。正確には囲われた。アタシは囚われの人形になったのだ。



「お前だけが、今じゃ心の安らぎなのよ・・・」



野良猫に囁きかける。まさかこの猫が自分の捨てた猫だとは思いもよらない。風貌と性格はすっかり変わり、野生児の様な猫になっていた。過酷な運命を背負わせてしまった事にも気付かないまま・・・・



「フォウさん、指名入りました」



黒服が呼びに来た。店内に戻る道すがら、黒服が言った。・・・知ってますか?フォウさんが餌あげてる猫、どうもホストクラブ襲撃したうちの一匹らしいですよ・・・そんな事はどうでもいい。あの猫が来てさえくれればそれだけで。



「フォウちゃん、久しぶり。相変わらず清楚な感じで、にもかかわらず影があるのがたまらないね・・・」



常連客の真田がそう言った。正確にはアタシの源氏名は【村雨(ムラサメ)卯月(ウズキ)】4月生まれだったので卯月にした。売り上げは毎月No4、上がる事も無く下がる事も無く、常にNo4。今席についてる真田が、何時しかアタシを【Missフォウ】と呼び始めた。



4月生まれと、売り上げ常にNo4に引っ掛けたこの愛称が、何時しかアタシの源氏名以上に店内に幅を利かせ始めた。今では店のキャストも、黒服も、アタシをフォウと呼ぶようになっていた。アタシの源氏名、村雨は何時しか忘れられてしまったように・・・・。



お店がはねて、アフターの予定も無かったので、そのまま新宿通りでタクシーを捕まえようと歩き始めた。丑三つ時を迎えた歌舞伎町は未だに賑やかで、人があふれていた。



もう9月だというのに残暑というよりは猛暑が抜けず、じっとりと汗をかきはじめた。やがて一台の空車のタクシーを見つけ手を振って・・・・



アタシの前に割り込むように、アフターの女性を連れた男が、停まったタクシーに乗り込んだ。何よ?文句の一つも言おうと相手の男の顔を確認した。



【タカシ】



アタシをすっからかんにして、2000万円の借金まで背負わせて、突然消えた【タカシ】だった。自称IT企業社長、その実は只の詐欺師だった男、又新宿に舞い戻ってきていた。



【タカシ】と女性を乗せたタクシーが走り始める。すぐに後ろのタクシーを止めて乗り込んだ。逃がさない。絶対に。アタシを地獄に叩き落としたクソヤロウ、怒りがこみ上げてきた。



「前のタクシーを追って!!」



アタシは抑えようの無い感情と共に動き始めた。この落とし前は絶対につけさせる。





自給自足の生活をするとしたら海と山どっちがいい? ブログネタ:自給自足の生活をするとしたら海と山どっちがいい? 参加中

【怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。】 Byニーチェ


この言葉を胸に、常に任務にあたってきた。オレたちは社会に害成すモノたちを狩る。人間の心が闇に覆われ、闇に捕らわれ、闇に堕ちた時、人は、人から怪物へと変わる。その怪物たちを人知れず処理するのがオレたちのシゴトだ。


人は怪物となった時に、とんでもない事をやりやがる。家族を殺し、その死肉を貪り食い、もはや人とは思えない殺人鬼と化した政府の高官もいた。しかし、表だって事件を公にしたら、政府への信頼は揺らぐ。


表向きは一家殺人事件と処理しながら、その実は犯人である政府高官も被害者のように見せかけて処理した。未解決一家殺人事件、この事件の犯人が捕まる事は無い。


そして今日、オレは相棒のコードネーム【サイゾウ】と大臣経験もある衆議院議員【一乗寺(イチジョウジ)宮麻呂(ミヤマロ)】を始末に来た。一乗寺は温厚な顔をしながら、裏では幼児をさらい変態行為をするロクデナシだ。そしてその欲望の対象とされた幼児は、そのまま殺害されてどこかに始末されていた。


そんな変態が、政府の大臣職までやっていた事実が公表されれば、政府の信用は一気に失墜する。よって自然死に見せかけた方法で始末しろとの指示が来た。


クロロフォルムを嗅がせ、意識を失ったところにインスリンを注射する。静かに息を引き取る変体野郎。また一人の怪物を始末した。その時突然、少年の悲鳴が聞こえた。その悲鳴のした部屋に行ってみると、変態議員の高校生の息子と、【サイゾウ】が向き合っていた。


「見ろよ、このクソガキ、この歳でヤクと拳銃隠してやがった」


泣きながら震えているガキと、そのガキに向かって銃を構える【サイゾウ】一触即発の状態の回避を図り説得を行うオレ・・・・・。


「【サイゾウ】、待て。このガキの始末は指令に無い。やめるんだ」


「【ジンパチ】、腐った遺伝子を持つ一族は根絶やしにすべきなんだよ。この歳でヤクにはまったガキなんざ、生かしとく価値なんかあるのかよ?指令が来る前に、オレが始末をつけてやる・・・」


「待て・・・やめろ!!」


鈍い二発の銃声、ガキは静かに崩れ落ちた。頭部と心臓、急所を確実に仕留めて、【サイゾウ】は窓をぶち破って逃走した。



「【サイゾウ】・・・・」



怪物と戦うモノが怪物と化した。深淵を覗いたモノが深淵に飲み込まれた。【サイゾウ】は、闇に堕ちた。狩る者から狩られる者へと・・・・。



オレたちの体には、闇に堕ちた場合に備えてマイクロチップを、本人の知らないところに埋め込まれている。深淵に堕ちた【サイゾウ】の居場所は、北海道の【大雪山】だと判明した。



「よりによって、大雪山か・・・。この任務は熾烈を極めるぞ」



本部長の【ユキムラ】が呻いた。そう、【サイゾウ】は隊員でもトップクラスのレンジャーだった。大雪山にはとてつもない罠が仕掛けられ、狩りに行くオレたちの前に立ちはだかるだろう。恐らく、数名の死者が出るのも覚悟しなければならない。



【サイゾウ】はきっと、山で猪や鹿、ひょっとしたらヒグマも狩って自給自足しているだろう。ヤツは敵に回せば最強・最悪の怪物だ。



【サイゾウ】狩りに選ばれたのは6人。隊長の【サスケ】とオレ【ジンパチ】、【セイカイニュウドウ】と【ジュウゾウ】、そして【カマノスケ】に【ウンノ】。



かつての友を狩る皮肉な使命は下された。大雪山は、その厳しい自然と最悪の怪物を抱えて、オレたちの前に立ちはだかるだろう。




なうで紹介する
人の頭の中に侵入できるとしたら・・・誰の頭の中を覗いてみたい? ブログネタ:人の頭の中に侵入できるとしたら・・・誰の頭の中を覗いてみたい? 参加中

・・・・こいつの頭の中を覗けたら、どんな恐ろしい計略が詰まってるのだろうか・・・・


伍子胥はそんな事を考えながら、孫武の顔を眺めていた。まったくこいつには驚かされる。一緒に【呉(ゴ)】国に入国し、たちまち不満のある【王子光(オウジコウ)】を手玉に取り、次々と策を弄して計画を進めていく。この男の頭の中は、一体どうなっているんだ。


【専諸(センショ)】という浪人者を街で見かけた時のこと、こいつこそ我が計画にぜひとも必要じゃっどんと、いきなり追いかけ口説き始めた。【専諸】には大望があった。が、【専諸】は、老いた母を残して先に死ぬわけにはいかぬと、自分を押し殺して雇い人として日々の生計を立てている。そんな親孝行の塊のような【専諸】に、孫武はこんな話を始めた。


「士は己を知るもののために死し、女は己を喜ぶ物のために形作る。【専諸】、おまんさぁはこのまま地に埋もれていってしまうだけでホンマにええのんか」


「孫武どん。オイは老いた母を残して先に逝くわけにはいきもはん。他あたってもら・・・・」


「【専諸】、腹割って話そうや。ワシには大望がある。ワシの大望に協力してくれたら、おまんに残るのは後世まで鳴り響く、おまんの名ぜよ。虎は死して皮を残す。死して名を残せや【専諸】。ワシの為に、死んでくれ」


「孫武どんの大望と、オイの後世まで響く名と、どげんかかわりがありもんそ・・・・」


「ワシはの、今のこの腐りきった世の中をぶち壊し、この世に王政を復古させるんじゃき。ええか?先ず【古公亶父(ココウタンポ)】の長子、【太伯(タイハク)】の末孫たる【呉】の兵力を持って南蛮の【楚】を滅ぼす。返す刀で【晋(シン)】と【斉(セイ)】を討伐し、【周(シュウ)】の権威を取り戻す。世の中の流れを、完全に変えてみせるぜよ。その為には、【専諸】、おまんには・・・・死んでもわらねばならんのじゃき・・・」


王政の復古・・・何を言ってるのだこの男は・・・。【周】王朝ももはや易姓革命からはや500年余り、約200年前には、蛮族に首都を落とされて、国自体が滅亡寸前までいった国家に何を求めると言うのか・・・。


「伍子胥、おまんにもここまで話してなかったのう。ワシは、実は【斉】の公孫なんじゃ。じゃが、ワシの故郷【斉】を見てみい。家臣の【田(デン)】氏に国の実権をほぼ握られ、乗っ取られるのも時間の問題じゃ。【晋】に至っては公家はすっかり落ちぶれて、6人の重臣にいいように操られている。こんな時代を古き良き時代に・・・・戻すのがワシの大望じゃき・・・」


確かに古き良き時代は、殺伐とした戦国の世へと変化しつつあった。尊王思想はあっても、実際は只の担ぎ上げる神輿でしかなく、権威は王族から公族へ、公族から士大夫階級へとどんどん下っていき、歴史ある大国が家臣に乗っ取られる様相を見せ始めてもいた。下克上・・・そんな殺伐とした時代へと・・・。


「ワシの先祖【太公望】呂尚は兵法を極めて【周】王朝の建国を助けんじゃ。ワシは、その【周】王朝の復興を助ける。立ちはだかるモノは、神であろうが悪鬼であろうが、全部まとめて叩き潰しちゃる。時代は変わるもんじゃないき、変えるもんじゃき。」


数日後、孫武に説得された【専諸】は、呉王の僚(リョウ)を暗殺した。【専諸】は護衛兵にその場で切り殺されたが、後世に司馬遷に記された【史記】の刺客列伝にその名を残した。


孫武と伍子胥によって担ぎ出された【王子光】は即位し、【呉王闔閭(ゴオウコウリョ)】となった。闔閭は二人に恩義を感じ、やがて兵権のほぼすべてを二人に委ねる事になった。


中華の南方を席巻する二人の活躍が、静かに始まろうとしていた。





インセプション
バスの降車ボタン、自分で押したい?押したくない? ブログネタ:バスの降車ボタン、自分で押したい?押したくない? 参加中


「バスで行こうよ」


京王バス、新宿駅西口発の、渋谷行きに乗った。この路線は西新宿の高層ビル群を抜け、十二社(ジュウニソウ)池の下から十二社通りに入り、参宮橋を抜けて代々木公園・NHKの脇を通って渋谷へ通じる。


電車でもよかった。が、渋谷駅に着いたら、彼女が東急東横線に乗ってしまったら、もう二度とは逢えない事を、本能的に気付いていたからかもしれない。もう少しだけ・・・・もうちょっと一緒に居たかった。それだけの事だ。


始発から乗った事もあって、後ろから二番目の、二人がけのシートに座る事が出来た。彼女は窓側で、憂鬱そうに外を眺め、ボクは何もいえないまま通路側で乗客を眺めた。徐々に乗客は増え始め、やがて満員となった。


「出発します」


運転手のアナウンス。いよいよ二人の終わりは、静かに始まりの時を迎えたようだ。バスはゆっくりと西新宿のロータリーから北20号線に入り、右手に損保ジャパンビルと野村ビル、を抜けて静かに中央公園方面に進み始めた。左手に、新宿には不似合いな濃い緑。


下り坂を降りていくバスは【十二社池の下】のバス停で停まり、乗客の5~6人が降りた。でも、二人は未だ一言も会話をする事も無く、気まずい空気だけが二人を包んでいた。


バスは交差点を左折し、左手には未だ中央公園の緑が並び、都心とは思えない景色が続く。やがて甲州街道との交差点を過ぎ、西参道にバスは入る。この辺りは小説【不夜城】にも描かれていた場所だ。左手に無国籍料理の店。この店も【不夜城】に出ていた。夏美と健一が、はじめて食事をするシーンだったか・・・・。



そんな事を思っていると、左手には代々木公園の景色が浮かび上がってきた。このルートで渋谷に向かうのは好きだ。景色がとても都心とは思えないながらも、確かに都心であると高層ビルが主張する。そんな場所だから。



黙り込んだままの二人、会話が無いまま、井の頭通りを横断し、左手にNHK、この先の坂を上れば、後は渋谷の街の中。駅までは夕方とはいえ15分も掛からないだろう。


夕暮れの街を眺めていたら、無性に悲しくなってきた。なぜ?どこで路線を間違えたのだろうか?二人の行き先はこのバスのように同じ方向に向かっているはずだった。気が付いたら、バス停でバスを乗り継ぐ事になってしまった。



そんな事を考えながら、隣の席の彼女の手を握った。前だったら握り返してきた彼女の手は成すがまま・・・お互い握り返す思いは無いとの意思の現れであろうか?



そして、ボクは気付いた。彼女は何度もボクと乗る人生という名のバスから降りたいとボタンを押したんだ。ボクは気付かない振りをして、その現実から逃げてきた。結局はこうなる事は判っていながら、ボクは彼女の思いを思いやらずに・・・自分の世界に逃げていた。



「次は【神南三丁目】」



アナウンスと同時に、ボクは、降車ボタンを押した。押したくなかったバスのボタン、でも今までの身勝手なボクにケジメをつけるために、彼女の思いを思いやらなかった残酷な自分自身に罰を与えるように、バスのボタンを押した。



彼女は、ボクの方を驚いたように見やった。バスが止まった。ボクは握っていた彼女の手を離し、バスを降りようと立ち上がった。そう、これはボクが最後にしなくちゃいけないんだ・・・。



「さよなら」



そう言い残して、ボクはバスを降りた。降りたかったわけじゃないが、人を思いやらずに残酷に同じバスに乗り続けてきた、自分の我侭という名のバスから一度降りなくてはいけなかったんだ。



バスは静かに走り去った。神南三丁目に取り残されたボクはバスを見送った。夏の夕日が、赤くボクの身を焼いた。




バスの降車ボタン押したい?⇒
どこからが自炊? ブログネタ:どこからが自炊? 参加中


喉の渇きが止まらない。毎日適量の水分を取ってはいるのに、たまらなく渇いていくのは自分の心の現われなのか。


8月第四週のある日、空を見上げると月は丸く、そして黄みがかって浮かんでいた。連日35度を越す猛暑日でありながら、夜の庭に響く鈴虫や蟋蟀の鳴き声が、季節は秋へと変わりゆくとボクに伝える。でも、喉の渇きが止まらない。


家庭菜園で出来た野菜を使ってラタトゥイユを作る。カットトマトと調味料、ハーブ以外はすべて自前の野菜たち。茄子・ズッキーニ・南瓜・玉葱を食べやすい大きさに切り、オリーブオイルで炒め、火が通ったところで【プロヴァンス・ハーブ】というハーブの詰め合わさった調味料とカットトマト・コンソメ、そして隠し味で醤油を入れる。水は入れない。野菜から出る水分だけで煮込む、これこそが自炊だ。


テーブルをウッドデッキにセットして、夕食の準備を済ませ、携帯で彼女に準備が整ったからと連絡する。10分程度でくるはずだ。ラタトゥイユを皿に持って、3分茹でて水で〆たカペリーニを添え、メインの魚の蒸し焼きをオーブンから取り出す。冷蔵庫でキンキンに冷やしたESTを取り出し、クーラーボトルに氷を入れてテーブルに載せる。グラスも用意して準備完了。


ウッドデッキ周辺には殺虫剤を使って蚊の駆除は行っていたので、この時間はゆっくりと食事を楽しめそうだ。夜空を眺めながら、キャンドルの明かりで、伴奏は虫達の奏でるハーモニー。田舎ならではのもてなし。


しかし、喉の渇きが止まらない。渇ききった体が、水分をたまらなく求める。軽くESTで喉を湿らすが、これではボクの渇きは埋まらない。ボクが求めてるのはこれじゃないんだ。


8分ほどして、彼女が車でやってきた。3ヶ月前に知人を介して知り合い、たまに夕食に招くようになった。外食は好きじゃない。人の調理したモノは信用が出来ない。多少味はよくても、何が使われているかわからないから。


彼女のグラスにESTを注ぎ、乾杯の合図。冷え切った白ワインは、喉をさわやかに流れ落ちていく。が、ボクの渇きはとまるどころかますます酷くなる。


食事と会話、ますます近くなる二人の距離。彼女への気持ちは愛しさへと変わり、愛しさは、これから興ることへ切なさへと繋がっていく。ボクは今日、喉の渇きを抑える事が出来そうにも無い。


月はやや西に傾き、虫達は相変わらずその切ない鳴き声を響かせ、彼女はやや酔った様に頬を上気させ始めた。ボクは、たまらなく彼女への愛しさを感じた。もう、今夜は彼女を逃がさない・・・・。


ボクは、ゆっくりと彼女へと歩み寄る。目を伏せるように下を向いた彼女の手をとり、優しく立ち上がらせ、そっと傍へ引き寄せ・・・・抱きしめた。月と虫と、秋の匂いを孕ませた風だけが、二人の距離感を知っている。


そして、彼女のあごを優しく上向きに持ち上げ、口付け。愛しさは頂点へと付きぬけ、彼女を望む欲求はもはやとめようが無いほど勢いを増した。


貪るように口付けをかわし、頬、耳・・・そしてその細く、白い彼女の首筋へと舌を這わせる。もう我慢できない。


ボクの八重歯は牙へと変わり、彼女の首筋に、その軟らかい皮膚と肉にその牙をつきたてる。ボクは知っている。愛しい彼女への欲望が満たされたとき、彼女の生は終わりを告げることを・・・・。ボクの愛は、高まれば高まるほど、二度とは逢えない世界に彼女を送る。


喉の渇きを満たすと共に、愛しい彼女心臓は静かにその働きを終えた。愛すればこそ、愛しいからこそ、その血を求めてしまうボクの悲しい性。



夜は深まり、その漆黒の闇に彼女の死体は、優しく融けていった・・・・・。



二世議員あり?なし? ブログネタ:二世議員あり?なし? 参加中

私はなし 派!


平成の真田昌幸、享年67にして散る・・・・

新聞の一面に踊る文面、我が父にして、地盤看板かばん無くして衆議院議員に当選し、与党第4位の派閥を作り上げ、次期総理の呼び声も合った【森羅三郎(シンラサブロウ)】は事故で逝った。突然の死だった。

選挙区が信州(長野県)と言う事もあり、その深謀遠慮は戦国時代の謀将【真田昌幸】になぞらえられ、平成の真田昌幸、表裏比興(ヒョウリヒキョウ)の者と恐れられていた。実際何人もの競争相手をスキャンダルの漏洩や金銭問題で屠り、この地位までのし上がった。

「太郎君、悲しんでる場合じゃないぞ、ここは君がしっかりしないと・・・」
後援会長の言葉、そうだ。悲しんでる場合じゃない。父の急死によってそれまで押さえていた地盤が、一気に崩壊しかねない。

今回は、衆議院の任期満了まであと5ヶ月である為、補欠選挙は行われない。よって任期満了に伴う衆議院総選挙でオレが地盤を継ぐ・・・・ことが果してできるかどうかが目下の問題だ。

「何しろ、今の総裁は・・・・」

与党の総理総裁を務めている【小山田信繁(オヤマダノブシゲ)】と父とはとかく仲が悪く、小山田降ろしを事あるごとに画策してきた森羅家に好意的ではない。先ずは党の公認が取れるか?そこが問題だった。

さらに、野党第一党の幹事長、【大沢二郎(オオサワジロウ)】は元与党の大物だったが、父の陰謀によって党を割る破目になった事もあり、父存命の頃から対立候補に公共放送の、のど自慢の司会も務めた知名度のあるフリーアナウンサーを立てようとしてることもあり、この選挙区は一気に兵どもの草刈場になった。

時代は世襲に批判的である点も逆風になった。実際著名な政治家の大半は、2世どころか、3世や4世もざらだ。小泉家のように4世も居れば、地盤は継がずとも、政治家としては戦前より続く鳩山家のようなものもある。

そして、父の49日も過ぎ、徐々に世襲への地ならしを始めた矢先に、事件は起こった・・・・。

「おい、大変だ・・・松平のヤツが・・・・」

【松平秋成(マツダイラアキナリ)】は父の第一公設秘書を務めていた、父の懐刀と呼ばれた切れ者だ。今回も選対の実質指揮官をやってもらう腹積もりだったが、松平が突然自分も立候補すると党に公認の要請を行ったとのことだった。

「小山田の差し金だ・・・一気に森羅を滅ぼそうと言う気らしい・・・バカが、内輪もめしてる場合じゃないのに・・・」

アメリカの大手商業銀行が破綻した、いわゆるリーマンショックもあって景気は後退した。実は2003年の労働者派遣法の改悪によって、それまで派遣禁止だった製造業の派遣が可能になり、自動車産業への派遣労働者が景気の後退と共に一気に契約を打ち切られ、ブチ切れた一人の若者が秋葉原で空前の事件を起こす・・・・こういった余波をもろに受け、小山田内閣の支持率は急落、景気のてこ入れを行うものの焼け石に水で、民衆は政権交代を望んでいた。今は党内の争いをしてる場合じゃないだろうが・・・・。

さらに恐れていた事件が起こった。野党の【大沢二郎】が、よりによってパッと見だけはキレイな、女性候補をオレの選挙区に立てたのだ。大沢ガールズとか呼ばれているが、その実中身はあるかは疑問符の付くような候補。そんなやつには負けたくない。

「太郎君、頑張れよ、ここが森羅家にとっての上田城だぞ」

真田昌幸は関ヶ原の戦いの折、孤立無援ながら数千の兵で4万の徳川秀忠の軍勢を上田城に縫い付けた。ここをしのがねばオレに未来は無い。

結局、党の公認はとれず、無所属で戦う事に。一か八か、当たって砕けるのみ。もはや引くべき場所は無く、進む以外に道は無かった。後は勝利を信じて・・・。

しかし、選挙が公示され、立候補の受付を済ませ、事務所に戻ったオレに更なる試練が続く。後援会長が、なんと松平陣営に寝返っていたのだ。党の公認じゃなければ、当選しても地元に公共工事は引っ張りにくい。松平の甘い言葉は、鉄壁を誇ったかに見えた森羅家の結束をもろくも崩れさせた。

ボロボロの選挙戦、弔い合戦、普通であればほぼ勝利は確実だったはずなのに、気が付けば敗戦が確実になっていた。陣営の有力者は次々と松平に寝返り、無党派は野党の美人候補に見惚れはじめた。もう・・・・

苦しかった選挙戦を終え、開票速報を自宅で眺める。開票率0パーセント、放送が始まった21時に、野党の美人候補の当選確実が流れた。オレと、松平は、共につぶしあって結局共倒れになった。

真田昌幸か・・・・いいえて妙だな。真田昌幸は上田城でやりすぎて、結局家康の怒りと恐れから、九度山に流されて許されずにその生涯を全うした。

子の幸村は、善戦するも大坂夏の陣に散った。真田家にたとえられた時点で、森羅家の滅亡は予見されていたのかもしれない・・・。


二世議員あり?なし?
  • あり
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気になる投票結果は!?

Dear All

深夜になると、突然ハーフボイルド(ハードまで行かず中途半端なので)化するダイアモンド・ジョズです(嘘です)


なぜか最近、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の遺作【トリコロール三部作】が無性に観たくなってしまいまして、だったら折角だから皆さんにも強引に紹介してしまおうと言う押し売り企画です(ヲイ)

トリコロール 青の愛 [DVD]/ジュリエット・ビノシュ,ブノワ・レジャン
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女優ジュリエット・ビノシュと言えば、一般的には【ショコラ】(ジョニー・ディップと共演)か、微妙にエロティックな【ダメージ】(ジュレミー・アイアンズと共演)でしょうか?あ、【イングリッシュ・ペイシェント】にも出ていたな・・・・。

ショコラ [DVD]/ジュリエット・ビノシュ,ジョニー・デップ,ジュディ・デンチ
¥1,890
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<エンタメ・プライス>ダメージ [DVD]/ジェレミー・アイアンズ,ジュリエット・ビノシュ,ミランダ・リチャードソン
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ポンヌフの恋人 [DVD]/ジュリエット・ビノシュ,ドニ・ラヴァン,クラウス=ミヒャエル・グリューバー
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イングリッシュ・ペイシェント [DVD]/レイフ・ファインズ,ジュリエット・ビノシュ,クリスティン・スコット=トーマス
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個人的には【ポンヌフの恋人】も好きなのですが、この【トリコロール 青の愛】の映像と音楽が、たまらなく切なく美しいと感じます。

白の愛は・・・・・微妙(苦笑)まぁ好みに逢う人もいるんでしょうが、ボク的には、青と赤の二作品で完結しています。

嗚呼DVD観てェェェェェ。


トリコロール/白の愛 [DVD]/ジュリー・デルピー
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トリコロール 赤の愛 [DVD]/イレーヌ・ジャコブ,ジャン=ルイ・トランティニャン
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