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失恋したことある? 参加中
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北風が銀杏の葉を舞い散らす。群馬の冬は赤城山から吹き降ろす風が知らせてくれる。
黄色というよりも、庭に敷き詰められた銀杏の葉はまるで金色の絨毯のようであり、一歩一歩踏みつける度に心が癒される。この時期の楽しみであり、寂しさを感じる一瞬でもある。
折りたたみの椅子に腰掛け、マグカップから熱い紅茶を啜る。矢車菊のフレーバーがなんとも心地よさを感じさせながら、ちょっと入れすぎたブランデーがそのえもいわれぬフレーバーを見事にぶち壊し、調和の取れていないそれは、まるで今のボクの心そのままの様だ。
空は雲ひとつ無く、しかしその蒼さは寧ろ絵の具の【空色】のようであり、フロリダで見たように澄み切った蒼さで無い。
・・・まだ吹っ切れていないのだ・・・
この空のように、蒼くありながら白が混ざったように、ボクの心はさっぱりと整理されたようでまだ心の奥底に未練が残って濁っている。
また一口紅茶を啜る。【レディ・グレイ】は君が好きだったのに、いつの間にかボクも好きになっていた。一緒に過ごした時間が、一緒に使ったモノが、一緒に味わったモノが、いつの間にかボクの中で交わり、一つになり・・・・
・・・やっぱりブランデー多すぎたな・・・
ブランデーを入れるなら【レディ・グレイ】のようなフレーバー系ではなく、セイロンの方が合うのだろう。ボクは自分の趣味を君の趣味と融合させ、より一層近づかんと努力したつもりが・・・。
風は、冷たくボクの体の中をふきまわり、心まですっかりと冷やされてしまう感じがした。気温は12度程度、あまり外に長居はしたくない。が、部屋に戻るのは、思い出が突然走馬灯のように巡り始め、いたたまれない気持ちに包まれる気がして二の足を踏む。
・・・恋していると・・・思っていたのに・・・
共に時間を過ごすうちに、恋ではないような気がしてきた。そんな不安が徐々に心の中に闇を生み、広がっていくうちにふと気が付いてしまった。
・・・恋じゃなく、ただ愛しかっただけなんだ・・・
ボクは君の事を愛しいと感じていた。それは君に愛されていることに気が付き、君の愛に応えて上げたいという気持ちであり、君を切望し、君無しではいられない気持ち・・・・恋ではなかった。
だからこそ、君の愛情が束縛へと変化し、やがて醜い執着となってしまってからも、ボクは君を愛しく感じていた。でも・・・
・・・その愛しさが、きっと君を壊してしまっていったんだ・・・
中途半端な愛情は人に報われぬ期待を抱かせる。君が臨む愛され方と、ボクの愛しさがかみ合わなければ、それは同じ方向を向きながら決して交わることの無い結果=平行線なんだ。
・・・だからこそ・、別れて正解だったのかもしれない・・・
だが、嫌いあって別れたのではなく同じ方向には向いていたからこそ、このように未練が残るのかもしれない。だが・・・。
これは失恋ではない。愛情の対象を失ったのであって、ボクは恋をしていたわけではないから・・・。