結婚してもうすぐ4年。旦那さん34歳、私は33歳の時でした。

妊活はすぐに始めましたが全く妊娠に至らず。

その間に子宮筋腫の手術をしたり、旦那さんの方にも不妊症が見つかって、自然に妊娠する事が難しいと判明。

 

元々は仕事を辞めるつもりはなかったのですが、丁度コロナ騒動とも重なって、職場の環境が悪くなり、IVF中のストレスと重なってしまって、旦那さんと相談しあって仕事を辞めてIVFに専念する事に決めました。

 

結果、妊娠することが出来て二人は幸せでいっぱい。

 

妊娠12週になってから、身近な友達や家族に妊娠の報告。メルボルンはステージ4のロックダウン中なので妊娠報告は全て電話やズームなど、オンラインでした。

 

みんな喜んでくれて嬉しかったけど。。。

 

中にはなぜ仕事を辞めなければならなかったのかと理解できない人たちも。

 

パンデミックの影響でもちろん世の中には仕事を無くしてしまった人が沢山。特にメルボルンはロックダウンでほとんどのビジネスが経営できない状態。もちろん新しい就職先を見つけることがほぼ不可能な状況です。

 

妊娠する前に仕事を辞めたことで産休手当などももらえません。

 

このような事を踏まえて心配して言ってくれているのはわかるんだけど。。。

 

妊娠のことを喜ぶよりも私が無職になってしまった事に対して質問責め。ちょっと不愉快でした。

 

きっと不妊で悩まされたり不妊治療の経験者にしか分からない辛さがあると思います。子供をつくるのに苦労してなくって、キャリアがある事が重要な人に説明しても分かってもらえないのかもしれない。

 

10年間勤めた会社を辞めるのは簡単なことではありませんでした。

小さなスタートアップだった会社。私は会社と一緒にずっと成長してきた立場。

でもそんな会社だからマネージャーとしてウェブ部門を一人で任されていました。

 

1年半ほど前に会社が大きな会社に買い取られて新しい職場環境になりました。大きな会社だからウェブ部門のチームを作って仕事を手分けできると期待していましたが、プロジェクトは増える一方で私はまた一人でウェブ部門の担当。

 

一人で担当するという事は不妊治療で病院に行くために休みをとるとウェブ部門が一日中止まってしまうという事。クライエントの管理も、フィリピンにいるウェブデザイナーやエンジニアたちも全て止まってしまいます。休みの後に仕事に行くと普段から忙しいのに仕事の山に追いやられてストレスでした。

 

不妊治療は1、2回の休みではすみません。自宅から職場まで一時間かかるのにIVFクリニックは職場から反対方向にさらに20分ほど運転したところ。しかもいつクリニックにいかなければならないのか数日前からは教えてもらえず急に休みを取らなくてはなりません。

 

急に休まなければならない時に謝りながら休みを取るのに嫌気がしました。

休みを取ると言っても休んでいる間誰からも手伝ってもらえないので次の日会社に復帰すると仕事とクレームの山。(オンラインショップを経営しているクライエントのフェブサイトが止まってしまうと彼らのビジネスまで止まってしまうということ。)

 

それから職場は男性主体で、私以外の女性は3人のみ。そのうちの二人は子供を望まない人でした。しかも新しい職場環境になって1年しか立っていなかったので妊娠を希望しているとかIVFにトライする事を打ち明けにくい環境でした。

 

新しいプロジェクトを始めるのにも休みを取りながらできるのかと自信がありませんでした。

 

今まで仕事を一番に考えてがむしゃらにやってきたつもりです。でも今は赤ちゃんを授かり家庭を築く事に専念したい。

 

年齢的なプレッシャーも感じていました。

 

これ以外にも本当に沢山考えて悩みに悩みました。文句なしのお給料をもらっていたし、長年働いた会社で頼りにされていた。これから仕事を辞めてしまうと不妊治療や子供ができた後の金銭的負担がかかってくるはず。

 

でもふと思ったのは仕事は仕事という事でした。もし私が退職した後、会社がどうなるかというと、何もなかったかのようにそのまま会社として成り立っていくのです。私がいなくなったって会社は止まらない。それどころか時間が経つと私がいた事なんて多分誰も覚えてない状態になるんじゃないかな?

 

そう思った時に、私なんで悩んでるんだろうって思ったんです。

 

家族と仕事、どっちが大切?

 

赤ちゃんは今しか授かれない。年齢的に時間がない上に、不妊治療には必ず赤ちゃんを授かれるという保証はないのです。

 

仕事は今辞めてしまってもまた探せばいいじゃない。もちろん今までと同じマネージャーという立場にまたすぐ立てるとは限らないけど、金銭的な援助のための仕事はいつでも探すことができるんだっ!

 

そしたら家族(をつくる事)と仕事を秤にかけた時、今の私たちにとっては家族をつくることが最も大切なのだと改めて感じたのです。

 

もちろん旦那さんが肩を押してくれたのもあるけど、こうやってやっと仕事を辞めてIVFに専念することができ、しかも本当にありがたい事に赤ちゃんを授かることができて夫婦ともに幸せでいっぱいです。

 

これに対して不妊治療のために仕事を辞めた事について批判的な意見を持つ人たちが身近にいる事が少し切なく感じました。


不妊や不妊治療の辛さ、大変さは経験した事がある人にしか分からないのではないでしょうか。勿論不妊治療をしながらも仕事を続けてきた人たちだって沢山います。とても尊敬しています。私も最初は仕事を辞めるつもりはありませんでした。

 

でも人生にはコントロールできない事があるんです。不妊治療は頑張ったからって努力が必ず実るとは限らないというプレッシャーがあります。

 

それでも赤ちゃんが欲しかったから自分達なりにベストを尽くしたつもりです。

 

私たちの元にもやっと赤ちゃんが来てくれました。この幸せにもう少しひたらせてください。

 

Photo by Lina Trochez on Unsplash

 

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