ギフテッド教育の罠?!~進学先一覧を見てびっくり。親の役割を痛感する。 | アイビーリーグ4校に合格しました(旧・米国公立校からアイビーリーグ4校に合格)

アイビーリーグ4校に合格しました(旧・米国公立校からアイビーリーグ4校に合格)

米国公立学区育ちの日本人生徒が、アイビーリーグ4校(イエール・プリンストン・コロンビア・ペンシルベニア)に合格しました。
子育ての備忘録も兼ね、親子で歩んだ合格までの軌跡を、アメリカの大学合格に必要な情報と共に、随時アップしていきます。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

 

実は投稿頻度に関するご質問をいただきました。最近忙しくしておりまして、現在2週間に一度の投稿くらいの頻度となっております。皆様お忙しいのに、きちんと投稿されていてすごいなあ、といつも尊敬しています。

 

さて、うちの子・ミニムーミンは現地校のギフテッド教育に大いに助けられたということは、以前お伝えしました。うちの学区のギフテッドプログラムには「ギフテッド親の会」的な集まりがありまして、定期的に会合など行っているのですが、その一環としてギフテッド生徒の進学先を数年分、公開しているのですね。

 

「進学先の一覧」を見て、ほんと驚きました…。

○○大学何名、という形で発表しているのですが、この内容が意外なのです。

しかも公表されている数年分の傾向は、ほぼ同じ…。

 

うちの高校の場合、ギフテッド対象の生徒が学年の一割弱。大規模校なので、大体一学年につき60人程度がギフテッド認定の生徒です。ギフテッド認定に当たっては、標準的なIQテストで「130以上」というのが条件の一つ。この数値はなかなか高いので、それ相応の層が認定されているはず。なのに…。

 

ギフテッド認定された生徒達のなかで、名門といわれる大学に進学できたのは、20人から多い年でも25人程度なのです。

 

しかも、HYPSM(ハーバード・イエール・プリンストン・スタンフォード・マサチューセッツ工科大(MIT)の頭文字をつなげたもの.)に進学するのは、例年5人程度。優秀な生徒が多いという評判だったミニムーミンの学年ですら、HYPSMに入学したのは7名です。

 

*HYPSM…入学が難しい大学のグループ化。ランキングの種類により順位が変わります。レベル順に並んでいるわけではない。

*うちの子・ミニムーミンの年の合格者は以下の通りでした。

マサチューセッツ工科大・カルフォルニア工科大・ハーバード大学・ブラウン大学・スタンフォード大学→各1名

プリンストン大学・コーネル大学・コロンビア大学→各2名 イエール大学→3名 ペンシルベニア大学→5名

それ以外は、シカゴ大学・ジョンズホプキンズ大学・ライス大学、ノースウエスタン大学などの名門校に合格した生徒がいます。UCバークレー、UCLA、ミシガン大学というような名門州立大学に合格した生徒もいる。

こう見ると、なかなかいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、一人が複数の大学に合格していますし、アスリート枠などでの合格者もいます。ギフテッド認定されていない生徒の合格者も、もちろんいるのですよ。

 

もちろん以前も申し上げたように、アイビーリーグなど名門といわれる大学に合格しても進学しない生徒はいます。でもその場合は、選んだ大学のHONORS COLLEGE(優秀な学生向けにその大学に設置された機関)に、学費免除などの形で進学します。

 

でも例の「ギフテッド生徒の進学先一覧」で、名門校に進学する生徒以外の動向を確認すると、HONORS COLLEGE進学者は数名(進学する大学名の後に、HONORS COLLEGEという表示がついているので分かる)。それ以外は、2人に1人あるいは3人に2人は合格できる地元の大学などに「普通の形で」進学している。しかもそのまた分校というか、ブランチに進学している生徒が何人もいるのです…。

 

こう考えると、うちの学区のようにギフテッド教育に定評がある学区でも、そのギフテッド教育の良さを活用できなかった生徒がいることが分かります。しかもかなりまとまった人数で…。

 

実は自分なりにその理由を考えてみると、思いつくことはあるのですね。

*専門家でない子育て終了ママの一意見として、さらっとご一読ください。

 

うちの場合、ギフテッドの認定が行われるのは 2nd Gradeです(ちなみに、他州にいたときも認定は2nd Gradeでした)。そのあたりで130以上のスコアを取り、その他の条件を満たせば、認定され特別の教育が受けられます。で、もともと素質がある生徒は、比較的簡単にこの条件をクリアする。

 

で、エレメンタリースクールの間は、そういうお子さんにとっては授業も簡単ですし、宿題もちょろっとしかで出ませんから、何の苦労もなく過ぎてしまいます。

でもミドル、それも7、8年生くらいになると、授業が一気に難しくなります。宿題量も桁違いに多くなる。ここから「持ち前の素質」の高さだけで乗り切ってきた生徒にとって、つらい時期が始まりますあせる

「一定の成果を上げるためには、ある程度まとまった時間、勉強することが大事」ということを経験したことが無いため、勉強するという習慣が身についていないのです。

 

なまじ「できる」がゆえに、大事な時期にすべきことをしなかったため、成績が急降下してしまった生徒はどうなるのか。うちの学区はギフテッド認定した生徒であっても、「学校の成績が思わしくない」場合は、ギフテッドサービスを一時停止するのですよ・・・。

 

「ある程度まとまった時間、勉強できるという『勉強体力』のあるギフテッド生徒」との差は開く一方。またギフテッド認定されていなくても、まじめに努力してきた生徒さんは、持ち前の「勉強体力」によって、勉強量で差の出る学校の成績で良い結果を残すキラキラことができます。そんな中には、名門校に合格できるお子さんもいるのです。

 

早めのギフテッド認定が

子供のためになるかどうかは

親次第アップ

 

私の周囲にも「うちはギフテッドに入れたから、アイビーが射程範囲よー。」という方もいるのですが、エレメンタリーの段階でそう思い込むのは、時期尚早過ぎる…。

 

むしろ、アメリカのエレメンタリースクール特有の、「ホメホメほめ過ぎバブル」や「簡単すぎる授業内容や宿題」といった「罠」にはまらないよう、親が気を付けるべきなのでは。

きちんと我が子に「勉強体力」を身につけさせるのは親の責任だと思います。

 

では「ギフテッドの罠」に陥らないために、どうすればいいのか。

私自身、「役にたったわー」と思うのは、日本語補習校での経験です。特に小学部

 

補習校がどうして?と思うかもしれませんが、週一回の授業での学習効率をあげるため、補習校はかなり多くの宿題を出します。毎回、漢字テストが実施されます。まじめに通っていれば、毎日かなりの時間、机に向かっていることになるはず。こういった習慣が、後々子供のミドル・ハイスクール生活を助けることになります。

また一気に大量の情報を脳内に流し込むことで、「情報をどう整理すればいいか」という判断力も子供に備わります。

しかもうちの補習校の先生は昭和の教育をする方が多かったから、あんまり褒めないしね。➡ここ大事。

 

「補習校は通っているだけでいいわ~。うちはアメリカで進学するから。」という方もいますが、非常にもったいない話。アメリカの現地校の「欠けている部分」を補うチャンスなのに。むしろアメリカにおける大学進学の可能性を広げるうえで、補習校で身につく習慣は大事なのでは。

 

補習校の小学部在学中、漢字テストのため毎日きちんと勉強することがアイビーにつながる道アップ

私は、本気でそう思ってます。

 

もし補習校への通学等が難しいのであれば、何らかの形で「勉強体力」がエレメンタリーの間に身につくよう、心がけることが大切かも。「成果を上げるためには努力が必要」ということを認識させたいのであれば、楽器やスポーツも有効ですよね。

 

以前述べましたが、うちの子・ミニムーミンの知っている超天才(国際○○オリンピック金メダリスト。○○には科目名が入る)のお子さん方、みなさん楽器をなさっていましたよ。しかもそれぞれ、その地域で格の高いユースオーケストラのメンバー。アカデミック分野においては超天才といえども、努力しないと身につかない分野があるということを認識しておくのは大事なこと。なるほどなあ、という感じです。

 

日本の場合であれば、中学・高校受験などの段階で、親が子供の弱点に「気づく」チャンスは定期的にやってくるのですが、K-12で自動的に高校まで進学できるアメリカ現地校の場合だと、なかなか我が子の弱点に気づけない。特に一度ギフテッド認定されてしまうと「うちの子はギフテッド。だから大丈夫よ。」と思ってしまいがち。

 

よく「アメリカの公立は高校まで続いてていいなー」と言われることもあるのですが、だからこそ、親がきちんと向き合わないといけないのでしょうね。また「ギフテッド認定」に勘違いせず、すべき習慣を子供に身につけさせることも大事。

 

そうでないと、せっかくのギフテッド認定も、ギフテッド用のアクティビティーも、消化不良で終わってしまいます。

ギフテッド教育の鍵を握るのは親次第。親の自覚次第でしょうかニコニコニコニコニコニコ