著者: 佐藤 和歌子
タイトル: 間取りの手帖

 実際に不動産広告に載っていた、へんてこな間取りばかりを集めた一冊。ちゃんと家賃も書いてある。そして効いているのが著者のひとことコメント。収納の扉がやたら多い部屋に「観音開きフェチ」とか、へんてこな形の間取りに「A型人間の神経を逆なで」とか、もう、このコメントが絶妙なので笑ってしまう。ガハハというよりムフフという笑いが出てくる一冊。私はもう、これらのへんてこな間取りを眺めながら「こんな部屋にこれだけの家賃を出して住む人がいるのよね?! 一体、どんな生活環境の人が?!」と、あれこれ想像して楽しかった。しかし、はっきり言って、実用性はなにもナイです。シャレが分かる人向きです。(そういう点で、この本が、私が今大好きなバンド「ブラックボトムブラスバンド」のトランペットのKOOさんにバカウケだったのは嬉しかった! KOOさん、さすが! ナイスです!)
 著者は現役大学生、しかも自宅住まいで引っ越しは一度もしたことがないそうです(笑)。
 この本、今、大ベストセラーになっちゃってて、著者は渋谷の某書店でバイトしているらしいんだけど、たまにレジで自分の本を買っていく人にも遭遇するって。でも、あんまし顔知られてないから、まさか買っていく人は気づかないよね。「こんなに印税とかもらっちゃったら、もうOLとかなれないと思う」とか、自分の肩書き「マドリスト」と名乗っちゃったりとか、シャレのセンスがいい人だなーと思います。
 ちなみに本は「リトル・モア」ってところから出ている新書サイズの本。でかい本屋さんなら、きっと目立つところに置いてあるかと思います。