以前アメリカでティーンエイジャーの女の子二人が「私たちが肥満になったのは、有害だと分かっていながら宣伝したマクドナルドのせいだ」とマクドナルドを裁判で訴えたという事件がありました。いくら訴訟社会のアメリカとは言えども、これは負けるでしょうと思っていたら案の定の負けだったのですが、あまりにも手前勝手な主張だったので私も記憶に残ってます。
で、この映画は、この裁判を記事で読んで、やはりバカバカしいと思いつつも「じゃあ有害というのを示すデータがあれば裁判の結果は変わっていたのか?」と、自らの体で人体実験する監督のドキュメンタリー。
●1ヶ月間、1日3食マクドナルドにあるものしか食べない。(水は可)
●店で「スーパーサイズ」を勧められた場合は断らない。
という無茶な計画! そしてアメリカ各州のマクドナルド行脚をするのです。
最初にちゃんとお医者さん3人の診断を受けて「スタートの時点でいかに健康体か」ということを示した上で、ムボーな計画スタート。2日目でオエッとなっているところは、なかなかリアル。でも、そのうち禁断症状というか、食べてないと落ち着かないという風になっていき、気分もイライラしていて、お腹はみるみるでっぱっていき、21日目にしてドクターストップまでかかる事態になるのです。こ、怖~っ! お医者さん曰く「アルコール中毒の患者と同じくらい肝臓がダメージを受けている」って。そして「酒飲みなら”お酒を控えろ!”と酒瓶を取り上げるところだが、まさかファストフードでアルコール中毒と同じ症状が出るなんて」と医者もガクゼンとしているのです。ひー。
 ユーモアにくるんである映画とはいえ、監督が基本的には真面目な人であることが、よく伝わってくる映画。随所にいろんなデータや街の人々のインタビューをはさんで、物事の本質をあぶり出していっているという感じです。
 マクドナルドに関しては日本のLサイズがアメリカのSサイズくらい、らしいので、まぁサイズとかが桁違いだとはしても。やっぱ健康には悪いよねぇ。私も映画前に急いで何か食べたいときとか、マクドナルドけっこう利用してましたけど、この映画観たら、もう怖くて食べれないなぁ。あと、日頃の食生活にも気を付けようと、痛感しました。
ちなみに監督はベジタリアンの彼女のおかげで、撮影数ヶ月後には体重元に戻したそうです。(それでもかなりの月数を要したらしい。やっぱりなぁ。)