その昔、新谷かおるさんという漫画家のシリーズもので、
「戦場ロマンシリーズ」と言うものがありました。
この新谷かおるさんの師にあたる故・松本零士に「ザ・コクピットシリーズ」と言う作品群がありまして、
戦場ロマンシリーズは、その新谷版だと思います。
大雑把に言えば、
そして、戦争経験者から見たら、
戦場エンタメ作品、でしかないと思うのですが、
私はこのシリーズ好きです。
戦争をエンタメとして消費してはいけない、それは、わかっていますが。
これはもう、漫画読みとしての嗜好の一つということで、ご容赦ください。
戦争はダメ、絶対。
生きるものへの冒涜に他ならない。
誰も、誰にも殺されたくない!
本当に戦場を描いた作品は、
水木しげるさんの戦記物だろうな、と思います。
「総員玉砕せよ!」は、人生に一度は読むべきだ。
映画の「バルジ大作戦」「眼下の敵」も、戦争をエンタメ化して、人気を博したようですし。
そして、最近、
戦争エンタメ作品として、
ケイト・クインのシリーズを読みました。
「戦場のアリス」は、第一次世界大戦下の女性スパイを、
「亡国のハントレス」は、第二次世界大戦時における、ソ連の女性パイロットを、
「狙撃手ミラの告白」は、同じく第二次世界大戦時における、実在の女性スナイパーを主人公にしたフィクション。
「戦争は女の顔をしていない」は、ノンフィクションですが、
かなり重なるイメージがあります。
おそらく、主な参考文献として使われているのだと思います。
おかしなもので、
「同志少女よ、敵を撃て」は、ちょっと嫌だったのね。
それは、たとえば、ひめゆり部隊の少女の1人が、米軍兵士を狙撃するようになる、と言う話を読んだら、
ちょっと、嫌になりませんか?
それが、たとえば、ロシア人作家が書いたものだとしたら、うーん?と、口がへの字になりません?
女性兵士が戦場で戦ったのは、ソ連だけだそうです。
他の国では、なにか軍の仕事に携わるとしても、補給などの後方支援。
英国では女性パイロットが、出来上がった戦闘機を、目的地まで操縦して運んだそうです。(そこを撃退された例もあるそうです)
エンタメとして消費してはいけない、でも、
このケイト・クインの作品は、あまり知られていない女性たちの戦いを取り上げている分、
ある意味、女性史の一部分を垣間見たような気持ちになります。
女性兵士たちは、敵軍のみならず、同軍の男たちからの性的暴力に警戒しなくてはならず、
多くの男性兵士からは軽く見られ。
その分、同性の仲間同士の紐帯は強くなる。
束の間の休息時間に、繕い物をしながらおしゃべりする。
戦場にあっても、伝統的?な女の楽しみがそこにある。
一読されて、共感する向きも多いかと思われます。
一見ハードな設定でありながら、
娯楽作品らしくラブシーンもしっかりあります。
ハーレクインロマンス戦場版?と思ったところで、私の脳裏に浮かんだのが、
新谷かおるさんの戦場ロマンシリーズでした。
女の戦場ロマンシリーズ、
ありそうでなかったですね。
それも、第二次世界大戦の記憶が薄れてきたからでしょうか。
現実では戦争が続いていて
こう言う作品を楽しむことに、限りなく背徳感はあるのですが。
面白かったです、ハイ。
