こんにちは。

五島莉絵(ごとうりえ)です。

 

先日のことですが、

随筆家の半藤末利子さんが

〈徹子の部屋〉に出演された回を拝見しました。

 

夏目漱石のお孫さんであることや

ご主人の半藤一利さん(2021年に逝去)とのご生活について

お話をされる中で、

 

わたしにとっては、

あっと驚くエピソードが語られました。

 

半藤一利さんといえば、

〈日本のいちばん長い日 運命の八月十五日〉などの著作で知られる作家です。

 

徹子さんが

「半藤さんは奥様に、

愛していると仰る方だったんですって?」

と質問されると、

 

上品な和服姿も美しい半藤末利子さんは

とても自然な感じで、

そうですね。よく言ってくれました。

というようなお答えをなさり、

静かに微笑んでいらっしゃいました。

 

「愛している」という言葉を伴侶に対して言える

昭和一桁生まれ男性がいたということも

驚きを覚えました。

 

 

そして、このエピソードを聞いて

 

私の記憶は一瞬のうちに

28年前にワープしました。

 

 

 

 

夫と結婚する直前のこと

電話で、

「これだけは、言っておきたいから」と前置きされて言われたのが

 

「愛しているとか、そういう言葉は言えないから。

それが僕という人間だから理解してほしい」

というような言葉でした。

 

当時、その言葉を聞いてどう思ったのか自分の気持ちを正確には思い出せないのですが、

 

このひと、わたしの前に「このこと」で誰かと失敗した?

そんな疑惑が頭をかすめた、そんな記憶があります。

 

彼の無口なところも照れ屋の部分も好ましく思っていたけれど。

 

「そういう言葉は言わないけれど愛情はあるのだから」ということを

察してほしいという気持ちもわからなくはないけれど。



それから10年以上もたったある時、


わたしのもやもやを薄めてくれる出会いがありました。

 




ある講座で知り合った、とても気の合う男性がいて

独身の方だったので、「どうして結婚しないの?」と尋ねると

こんな話をしてくれました。

 


結婚を意識してお付き合いしていた女性がいたけれど

出張の多い彼との間が心配になるらしく、

電話のたびに

「愛してるって言って」と求められ

それがいやで別れましたと。

 

彼曰く

「愛情があるから付き合っているんじゃないですか。

そんなことを言葉にしなければ分かってもらえないなんて情けなくて」

 


目からおおきな鱗が落ちた!

彼の話でした。

 

 

わがままと言ってしまえば、それまでですが、

わたしが好ましいと感じる男性は

「愛している」なんて言えない

そんなタイプなのかもしれないと

納得できたんですね。

 

 

時を経て、

夫のすばらしいところを認めながらも

言葉の足りないところに喧嘩を仕掛けたくなることもまだまだあります。

 

 

< 結婚は

最高の学びの機会である>

 

そんなこと、どなたかが言ってませんでしたっけ?