船頭多くして船山登る。
組織創りの相談を受けていて人が難しいと感じるところが自律性を持つことと船頭になることの違いの混同。
自立性を持つというのは組織のミッションに向かって自ら判断しミッション達成に向けて推進すること。
船頭になるということは自らミッションを定め、そこに向かって自立性を持つ人たちを導いていくこと。
組織が未熟だと自律性ではなくいきなり船頭になった気分になりおかしな判断を勝手にしだす人が増えたりするようだ。
組織としてのガバナンスができていない状態で急激に拡大するベンチャーによく見られる傾向でもある。
また、個人の考えを意見することと組織としての判断をすることを同じものと考えてしまう人がいるようだ。
組織であればあくまでも組織のミッションに向かい、いかに前に進められるかという観点から物事を判断する必要がある。
そこに私的な感情の入り込む余地は限りなく無い。
10名程度の全員に目が行き届く組織であれば修正もきくが、20名を越えてくると一人で管理するのが難しくなる。
20名を越えて自律性ではなく船頭が多い状況に陥ると組織としては機能不全に陥り、人はいて皆が忙しなく動いているのに収益が出ないというようなことも発生する。
唯一船頭が多くとも機能するのは、その船頭となる人たちの向かうべき方向が一致しているとき。
こういう組織はあまり見たことはないが、強力な組織力を発揮する。
各船頭と船頭の船頭になる人の絶大なる信頼があってはじめて成立することであり、形だけ取り入れても機能しないのが組織運営の難しさだろうか。