樹齢何百年の木に耳を澄ました
あなたは何を見てきたの?
立派な幹に体を寄せて目を閉じた
小さき人よ
私は様々な時を見てきた
喜ぶ人々
悲しむ人々
愛し合う人々
豊かな時代
戦乱の時代
様々な人の物語
たくさんの動植物
私に身を寄せて生きていた
小さい人よ
すぐに去っていく人よ
私の回りは変わった
長い歴史のなか
動植物は少なくなった
私の仲間もいなくなった
ずっしりとした老樹のゆったりとした声が聞こえた気がした
今、時代は急速に変わり
人は先へ先へと生きている
そう、この辺りも直にさら地になる
大きな大きな老樹に手を当てた
ごめんね
ごめんね
寂しくなった大地に雨が降る