フォルダを整頓していたらすんげー古い小説が出てきたので晒してみる。
自分の柄ではないことは分かっている。
ただ…それでも………
<年に一度のことだから>
「はぁ…はぁ…はぁ…」
物陰で息を潜め、大王は息を整える。
理由は簡単。ダークマターに追われているからだ。
「…ったく…連中は何考えてやがんだ?」
大王がこう呟くにはわけがある。
もうかれこれ十数体のダークマターに追われたからだ。
『…来い』
と、ただそれだけを壊れたテープレコーダーのように繰り返しながら、彼らは執拗に大王を追い回す。
「…なんなんだよ、畜生…」
大王はハァッと息を漏らし、手に握っていたダークマターの『核』を握りつぶした。
いつもやらないこと
普段、慣れていないこと
それでも
それだからこそ…
『来い』
「……またか」
大王は溜め息をついた。
『来い、マスターゼロがお呼びだ』
「悪いがてめーらに付き合うほど暇じゃねぇんでな」
『来い』
「人の話、聞けよ」
『来い!』
「あのなぁ……」
大王は再びハンマーを構え、ギョッとした。
何故なら彼の周りを、ダークマターが数十体も囲んでいたからだ。
「……どーしても連れて行きてぇのか?」
大王はハンマーを握り締める。
「上等だ……。全員まとめて蹴散らしてやるぜ!」
『マスター、連れてきました』
『「王」です』
大王はダークマターに担がれ、ハイパーゾーンへと連れて来られていた。
『ご苦労。しかし、傷は付けるなと言ったはずだが?』
ゼロはそう言って、ダークマターを睨む。
『申し訳御座いません。用件を申し上げても応じてもらえなかったもので』
『まぁ良い。大王をそこに降ろして、貴様らは下がっていろ』
『はっ!』
ドサリッと大王はその場に投げ出される。
『手荒なマネをしてすまなかったな。なにぶん、加減の出来ぬ連中だから』
大王に歩み寄り、ゼロは呟く。
「てめぇ……こんなことしてなんのつもりだ…?」
大王の言葉にゼロは
『何、少しばかり伝えたいことがあっただけだ』
と言う。
「……伝えたいこと?」
『あぁ』
するとゼロは小さな小包を取り出して
『Happy birthday』
と呟いた。
「……」
その言葉に大王は一瞬絶句して
「……お前なぁ」
と思わず苦笑したのであった。
<FIN>
結構昔に書いた大王誕生日おめでとう小説。
今年は何を書こうかなー。
自分の柄ではないことは分かっている。
ただ…それでも………
<年に一度のことだから>
「はぁ…はぁ…はぁ…」
物陰で息を潜め、大王は息を整える。
理由は簡単。ダークマターに追われているからだ。
「…ったく…連中は何考えてやがんだ?」
大王がこう呟くにはわけがある。
もうかれこれ十数体のダークマターに追われたからだ。
『…来い』
と、ただそれだけを壊れたテープレコーダーのように繰り返しながら、彼らは執拗に大王を追い回す。
「…なんなんだよ、畜生…」
大王はハァッと息を漏らし、手に握っていたダークマターの『核』を握りつぶした。
いつもやらないこと
普段、慣れていないこと
それでも
それだからこそ…
『来い』
「……またか」
大王は溜め息をついた。
『来い、マスターゼロがお呼びだ』
「悪いがてめーらに付き合うほど暇じゃねぇんでな」
『来い』
「人の話、聞けよ」
『来い!』
「あのなぁ……」
大王は再びハンマーを構え、ギョッとした。
何故なら彼の周りを、ダークマターが数十体も囲んでいたからだ。
「……どーしても連れて行きてぇのか?」
大王はハンマーを握り締める。
「上等だ……。全員まとめて蹴散らしてやるぜ!」
『マスター、連れてきました』
『「王」です』
大王はダークマターに担がれ、ハイパーゾーンへと連れて来られていた。
『ご苦労。しかし、傷は付けるなと言ったはずだが?』
ゼロはそう言って、ダークマターを睨む。
『申し訳御座いません。用件を申し上げても応じてもらえなかったもので』
『まぁ良い。大王をそこに降ろして、貴様らは下がっていろ』
『はっ!』
ドサリッと大王はその場に投げ出される。
『手荒なマネをしてすまなかったな。なにぶん、加減の出来ぬ連中だから』
大王に歩み寄り、ゼロは呟く。
「てめぇ……こんなことしてなんのつもりだ…?」
大王の言葉にゼロは
『何、少しばかり伝えたいことがあっただけだ』
と言う。
「……伝えたいこと?」
『あぁ』
するとゼロは小さな小包を取り出して
『Happy birthday』
と呟いた。
「……」
その言葉に大王は一瞬絶句して
「……お前なぁ」
と思わず苦笑したのであった。
<FIN>
結構昔に書いた大王誕生日おめでとう小説。
今年は何を書こうかなー。