先日、私の上司のバースデープレゼントのために、酒屋という酒屋をはしごして(実際は電話のはしごで)ポモー・ド・ノルマンディーをゲット。

ポモー・ド・ノルマンディーとは、カルバドスにりんごジュースを加えて樽熟成させたもの。カルバドスはご存知の通り、りんごから作ったブランデー。このポモー・ド・ノルマンディーは、まるで新鮮なりんごジュースをいただくような軽い飲み口と、ブランデーの上品でまろやかな風味があいまって、非常に癒されるお飲物なのです。冷やしてお風呂上がりなどに一杯飲もうものなら、どんな夢を見させてくれるのかしらってくらい開放感に満たされ、きっとそのまま至福の眠りにつけるはず。


私がこの味を知ったのは、先日マスターの友人の桜新町のバーにて、お勉強のためと何種ものウイスキーをテイスティングさせていただいた時のこと...

かすかな特徴を拾うために長いこと臭覚・味覚を限りなく研ぎすまして目の前のウイスキーを試飲していたせいか、ちょっと疲れたーと思っていた矢先、

「休憩にどうぞ」
と、そこのマスターがコトンと出してくれた一杯が、このポモー・ド・ノルマンディー ミシェル・ユアールだった。

なんという素晴らしいタイミングで気の利いたサービスなんだろうと、そのマスターのバーテンダーとしての仕事っぷりに一瞬にして完全に惚れ込んでしまったと同時に、一口いただいた瞬間、その果汁の甘さと旨味が凝縮されたその液体は、私にまるでどこぞかのりんご畑の木陰でお姉さん座りをし、しばしまどろんでいる、そんな経験のない安らぎの時間を過ごしているような錯覚をおこさせたのです。

いいんだよ....
ゆっくり休んでね....
まるで遠いところから誰かにそんな優しい言葉をパラリと振りかけられている感覚。


私の上司は、素晴らしいキャリアウーマン。仕事で年に数回パリに足を運ぶ。一時期は「パリっ子倶楽部」なる限りなくアンダーグラウンドな会を自ら発足し、かなりのパリ好きをアピールしていたっけ…
いつもノルマンディーにまで立ち寄る時間は確実にありませんから、その仕事を尊敬すると共に、日頃の感謝の気持ちを込めて贈りたいのです。この癒しの酒、ポモー・ド・ノルマンディーを。