『薔薇の夫人🌹』と私が勝手に呼んでいる方がいた。その方のお庭から頂いた切り花を母が小さな鉢植えにして育ててくれていた。


『薔薇の夫人🌹』とは?

詳細2019年8月30日の日記


『薔薇の夫人🌹』 


私の憧れる人々の中の一人です。




私が勝手に『薔薇の夫人』と呼んでいるのですが、本当に素敵な方。

彼女のお家の前を通るたびに、いつも心癒されていました。


楽しい時は、明るい気持ちをもっと華やいだ気持ちにさせてくれ、辛い時は、悲しい気持ちをふんわり優しい色で包んでくれるようでした。。。

そんなお庭は、彼女の人柄が出ていたと思います。


板葺きの壁の小さくて古いお家は、嫁いだ娘さんと亡きご主人との思い出がたくさん詰まったお家だったのだと思います。



その板葺きの壁に這わせた薔薇が、とてもとても絵になっていたのです。

決して派手ではないお庭でしたが、とても惹きつけられるものがありました。

何故だろうと思っていたら、薔薇の夫人は、昔お花の先生をしていらしたんだそうです。


小さなお庭が小さく見えなかったのは、お家全体を花器にしていたのだと分かり、とても感動しました。


薔薇の夫人は、夏には膝下丈の清潔感のあるワンピースを爽やかに着て、日傘をさしてゆったりと歩き、お買い物をしていました。


朝夕には、使い慣れたような前掛けをして、良い姿勢でお庭のお手入れをしていました。


何というか、立ち居振る舞いが、穏やかで綺麗な方でした。

そこに居るだけで、私は勝手に癒されていました。


そして、そんな素敵な薔薇の夫人に、お花を習いたいと思っていました


しかし、昨日の朝、仕事に行こうと夫人の家の前をいつものように車で通り掛かったとき、夫人の家を引っ越し業者が出入りしていたのです。


驚いて車を止め、業者の方に声をかけると、薔薇の夫人が出てきました。


突然の事だった上、大きな寂しさが湧き上がり、顔を見たら涙が出てしまいました。

愛別離苦。

出会いの分だけ別れがあるのは必然なのだから、しっかりしなければと思い、何とかきちんと挨拶しようとしました。

でも、うまく言葉にならずにいた私に、


 「いつもお花を見ててくれたわよね。

お花は見てもらえると元気になるの。

お花を見てくれてありがとうね。


泣いてくれるなんて嬉しいわ。

ごめんなさいね。前もってほのめかしておけば良かったかしらね。ショックを与えてしまってごめんね。


それにしても、あなたしばらく見ないうちにずいぶんきれいになったわね。

これからお仕事に行くんでしょ?

ね?お母さんなんだからしっかり頑張って!!いってらっしゃい!!」 


と、優しい笑顔で声をかけてくれました。なんだか、『お母さん』みたいでした。


その言葉でかえって涙が溢れてどうしようもなくなってしまいましたが、それでもなんとかお別れの言葉とお礼を言い、泣きながら車を出しました。


彼女の顔を見た時に、潔く後を引かぬ綺麗なお別れをする人なのだと思ったので、引っ越し先の住所は敢えて聞きませんでした。


去り際まで素敵な方でした。


ちゃんとお別れができて、とても良かったです。


ただ、ここに来て8年。ずっと憧れていましたが、うっかり聞きそびれていた事がありました。


それは彼女のお名前。


本当のお名前を知らないまま、さよならをしてしまいました。


(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) お元気かしら。





今朝、うちの板葺きの壁に、あなたの薔薇🌹が一輪、ちっちゃく咲いたよ。


初めての一輪。