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壱や【源氏物語】宇治十帖
~匂宮三帖~
第四十二帖〈匂宮の巻Ⅱ〉
...平安人の心で
「源氏物語」を読む...
山本淳子著より
四十二帖匂兵部卿
光源氏が世を去って以来、彼を継ぐ人物は世に現れなかった。
明石中宮と今上帝の間の三の皇子と光源氏の次男で妻・女三の宮が産んだ息子とが際立っているが、光源氏ほど輝かしい訳ではない。
だか、光源氏が母の身分に左右されたのに比べ、彼らは血筋の威光に助けられて世評が高いのだ。
かつて光源氏と紫の上が住んだ二条院には、紫の上からこの御殿を相続した三の皇子が住んでいる。
また光源氏が建設した豪邸・六条院で紫の上が住んでいた春の町には、三の皇子と同じく明石中宮が産んだ女一の宮が紫の上を偲んで住んでいる。
どちらの御殿も結局は明石の君一人の末裔のためと見えて、当の明石の君はたくさんの孫の世話をしつつ老後を送っている。
また光源氏のその他の妻たちも、今は右大臣となった夕霧の庇護を受けつつ、それぞれに日々を過ごしていた。
そんななか女三の宮の息子は、物心ついて以来、自分の出生に秘密のあることに感づいていた。
十九歳で宰相中将に昇進という出世をよそに、憂い多き彼の心は出家に向かっていた。
不思議にも 彼は身体から芳香を発し、対抗して三の皇子も香りに執着したので、彼らは世から「薫る中将」「匂ふ兵部卿」と呼ばれる。
夕霧は藤典侍の産んだ娘・六の君を薫か匂宮に嫁がせたいと望み、落葉の宮の幼女として磨きをかけた。
やがて薫は二十歳となり、その美と香りは女たちをときめかせる。
平安人の心で「源氏物語」を読む
山本淳子著 引用
...寂聴源氏塾...
瀬戸内寂聴著より
匂宮と薫の君
源氏物語第二部と、第三部冒頭の「匂宮」との間には八年間の空白があります。
光源氏亡きあとには、その聖望を継ぐような人物は源氏の子孫の中にも現れてはきません。
わずかに今生帝と明石の中宮の間に生まれた三の宮と、源氏の正妻女三の尼宮が産んだ若君の二人だけが、その美貌で評判になっています。
女三の尼宮の若君は 表向きは源氏の次男とされていますが、柏木と女三の宮との間にできた不倫の子です。
しかし、それを本人も知らされていません。
この若君は生まれつき、体から不思議な芳香がする体質を持っています。
そこでいつしか、人々は「薫の君」と呼ぶようになりました。
今生帝の三の宮はこの薫の君より一つだけ年上だったので、幼いころから一緒に遊んだ仲なのですが、何かにつけて張り合うような関係でもあります。
ちょうど昔の光源氏と頭の中将の関係に似ています。
三の宮は薫の君に負けまいと、自分で苦心して調香した名香を衣服や髪につねにたきしめるようになり、それが一種の体臭のようにもなっています。そこで、この宮のことを世間では 「匂宮」呼びならわすようになりました。
匂宮は祖父の光源氏の遺伝子を最も強く受け継いだせいでしょう、明るく華やかで、多情で色好みの点も似ています。
一方薫の君は長ずるにつれ、自分の出生に秘密があることを何となく感じとっていて、物思いに沈みがちな、憂愁を帯びた青年になっています。
第三部冒頭の「匂宮」「紅梅」「竹河」の三巻では、この二人の成長を追いつつ、明石の君や夕霧といった源氏ゆかりの人々の「その後」を記しているのですが、物語が本格的に動き出すのはその次に来る「橋姫」の帖からで、ここからいよいよ「宇治十帖」がスタートすることになります。
寂聴源氏塾 瀬戸内寂聴 著 引用
お二方の解説本の中から 引用させて
いただきました。
源氏物語を読まれたことがない方も
合わせて読むとわかりやすいかなと
思います。
我が家の庭のオダマキ
❁⃘*.゚
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2020年6月26日9時30分投稿