ファンブログ❤ 紫式部に恋をして<十二> 源氏物語和歌 少女(おとめ)の巻 | みそらの日日是好日 ‪‪ᵕ̈* ニチニチコレコウジツᵕ̈*

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2020年春...
1998年生まれの長男は
東京で社会人に。
2000年生まれの長女は
うどん県で女子大生。
これから わたし時間を楽しむぞ!!(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛









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二十一帖少女おとめ

源氏三十三歳の歳
故 葵の上の遺児で源氏には表向き長男にあたる
夕霧が十二歳で元服した。

官位は父・源氏の血統や権勢からすれば
四位(しい)が順当だったが
源氏は夕霧を六位とした。

またしばらくは職に就かせず
大学で勉強させることとした。

自分の亡き後に政治家として独り立ちできるよう
考えて、敢えて厳しい方針をとったのだ。

源氏は二条東院で夕霧の字(あざな)をつける儀式を
大々的に行い、そのまま自分の監督下で学ばせた。

夕霧は父を恨めしくも思うが、
生来のまじめさから勉学に励み、文章道(もんじょうどう)の試験を次々と突破。

これに刺激されて
世では漢学始め諸道が尊重されるようになった。

源氏は太政大臣、
かつての頭中将は内大臣となった。

その娘で十四歳の雲居雁夕霧
祖母・大宮のもと同じ三条宮で育ち幼い恋を育んでいた。
だが、それを知った内大臣は激怒し、
雲居雁を自邸に引き取る。

別れの時
2人は涙ながらに心を確かめ合う。
しかし雲居雁をさがしに来た乳母の
「六位ふぜい」との言葉に冷水を浴びせられ
夕霧は出世して恋を実らせると決意、努力しはじめる。

翌々年八月、
源氏は豪壮な六条院を完成させた。
通常の四倍の広さの御殿は四季の風情に分かれ
東北の夏の町には花散里
東南の春の町には源氏と紫の上
西南の秋の町には冷泉帝の中宮となった梅壷が入った。
十月には明石の君も西北の冬の町に合流。

栄華の極みの六条院世界が、ここに始動した。

平安人の心で「源氏物語」を読む
山本淳子著引用





夕霧元服、源氏異例の育て方

宮中への参上を許される殿上人は五位以上が普通だから夕霧が六位というのは 異例の低さといえる。
浅葱姿というのは 薄い藍色の衣袍いほうで六位の人が着る物だ。
服の色を見ただけで、その人の身分がわかるんだから夕霧の屈辱感は相当なものだっただろう。

名門の子弟に生まれ、官位も思いのままに昇進し、世間からちやほやされると いまさら学問をして苦労する気などなくなるだろう。
だから、まだ幼いうちから 学問に打ち込ませるのだ。
学問がないと、権力におもねる人は 内心では鼻であしらいながら、表面では追従して、機嫌を取るだろう。
だが、時勢が移り変わり落ち目になってくると人に軽蔑されて寄り縋るものがなくなってしまう。
学問を基本に実務能力があればまだ何とかなるものだと、源氏は反対する大宮に訴えた。

大学寮というのは 今の大学とは違って
役人を養成するための学校というニュアンスが大きい。学生も貴族の子供がほとんど。
当時は、学問よりも身分や家柄が出世に関係しているから 学問はそれほど重要視されていなかった。

夕霧を敢えて低い官位にするというのも異例だし
彼ほどの身分の子供を大学寮に入れるのも異例。
この頃の源氏は 次々と大胆な発想で政治を運営していく。
学問を多いに奨励していくのもその一つの現れなのだ。

源氏物語が面白いほどわかる本
出口汪著引用


夕霧の初恋

夕霧は同じ大宮のところで育った幼なじみの雲居雁とお互いに淡い恋心を抱くのだが、父親の内大臣が猛反対する。
彼は、長女(弘徽殿の女御)が中宮になれなかったことを嘆き、今度は次女の雲居雁を東宮妃に立てようと考えているのだった。
雲居雁の乳母がもらした
「めでたくても、もののはじめの六位宿世よ(いくら優れたかたでも、ご縁談の相手が六位ふぜいじゃあね)」
という言葉は深く夕霧を傷つけた。

くれなゐの涙にふかき袖の色を
あさみどりとや言ひしをるべき
夕霧

恋ゆえに血の涙色に染まる袖
位の低き浅葱ではない
俵万智訳

「今の言葉聞いた?」と夕霧が雲居雁に贈った歌だ。
色の対照が鮮やかで印象的な一首である。
その鮮やかさゆえに、現実には浅葱色の上着を身につけているみじめさが、際立ってしまう。

いろいろに身の浮きほどの知らるるは
いかに染めける中の衣ぞ
雲居雁

いろいろに悲しいさだめどのように
二人の仲は染まるでしょうか
俵万智訳

くれなゐとあさみどりを受けて「いろいろ」と色で返した一首。
まだ、十四歳の少女には、自分で恋の行方をきりひらく力など、もちろんない。
これからどうなってしまうのだろう...と幼い心を痛めておろおろしている感じがよく伝わってくる。

霜氷うたてむすべる明けぐれの
空かきくらし降る涙かな
夕霧

むなしくも霜の凍てつく明け方の
空かきくらし涙が降るよ
俵万智訳

とうとう雲居雁と引き離された夕霧の独詠歌である。
雨を涙にたとえる歌は決して珍しくないが
この歌では、いきなり「降っているのは涙だ」と断じている。
この結句にはハッとさせらる。
第四句までが非常に丁寧な描写なだけに
最後にきてグルっと実景が心象風景へと転換される
その小気味よさが魅力だ。
そしてまた、実景としてそれほどの涙を流しているという現実へと戻ることも可能である。
夕霧、なかなかやるな、と思わせる一首だ。

愛する源氏物語
俵万智著引用








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