「はい、消費生活センターです」
10分という恐怖のカウントダウンの果てに、
ギリギリで繋がった受話器の向こう側の声。
その声の主は、若い女性のような響きを
持っていました。
「あ、よかった……人が出てくれた……」
無機質な保留音と冷たい自動アナウンスに
いたぶられ続けたワタシの心に、
その肉声はかすかな安心感を与えてくれました。
でも、頭の中はまだ大パニックの余韻で
ぐちゃぐちゃのままです。
「あの、ネットの通販で、480円だと思って
ボタンを押したら、支払い方法も選んでないのに
SMSが届いて、AIに見てもらったら
定期購入だって言われて、
どうしたらいいか分からなくて……!」
きっと、ものすごい早口で、主語も述語も
バラバラな説明になっていたと思います。
自分でも何を言っているのか
分からなくなるほどのテンパり具合。
そんなワタシの支離滅裂な訴えを、
彼女は遮ることなくじっくりと聞いてくれました。
そして、話し始めてすぐに気づいたのです。
「あ、この人、すごくしっかりしている……!」
声のトーンこそ若々しいものの、
ワタシの散らかった言葉から的確に
状況を汲み取ろうとする受け答えは、
まさにプロそのもの。
その落ち着いた、芯のある対応に触れた瞬間、
ワタシの心の中のパニックの波が,
少しずつ静まっていくのが分かりました。
この頼もしい担当者さんを得て、
ワタシの通販トラブルとの戦いは、
ここから本格的な解決へと動き出すことになるのです。
(第8回へつづく)