最近、素直に言えたことは?
「未経験歓迎」
その5文字を、私はまっすぐに信じた。 地方銀行の派遣の求人。新しい世界に飛び込もうと、少しの緊張と、それ以上の期待を胸に面接へ向かった。
けれど、通された面接室の空気は、求人票の優しい言葉とは少し違っていた。
「覚えることがたくさんですよ〜。本当に、大丈夫ですか?」
面接官の口から出たのは、歓迎の言葉ではなく、こちらの覚悟を試すような、あるいは遠回しに拒絶するような重い問いかけだった。
その時、私は「大丈夫です」とは言えなかった。 嘘をつくことになるのが怖かったし、何より自分に誠実でいたかったから。
「精一杯頑張ります」
自分の今の正直な気持ちと、前向きな意欲。 等身大の自分にできる、最高の答えを伝えたつもりだった。
けれど、結果は不採用。
相手が求めていたのは、不安を隠してでも「大丈夫!」と笑って見せる図太さだったんだろうか。
私の「頑張ります」は、彼らにとっては正解じゃなかったんだろうか。
でも、今はこう思う。
あの場で無理をして「大丈夫です」と自分に嘘をつき、金型に押し込まれるようにして採用されたとしても、きっと数ヶ月後の私はもっとボロボロになっていた。
最近、私が素直に言えたこと。
それは、自分の不安を認めつつも「頑張りたい」と伝えた、
あの時の誠実な言葉だ。
その答えを「正解」として受け取ってくれない場所なら、きっと最初から縁がなかったのだ。
「信じた私がバカだった」と自分を責めるのは、もうやめよう。 言葉をそのまま受け取れる誠実さと、不安でも頑張ろうと思える勇気は、きっと次の場所で、私を助けてくれるはずだから。
不採用の事実を握りしめて、私は少しだけ、前より自分を好きになれた気がした。

