保育園から高校まで同じ学校に通い、同じ時期に地元へ戻ってきた友人と、久しぶりに散歩をしました。
歩きながら、友人が会社の同期が退職したという話をしてくれました。
その人とは部署も違い、普段から頻繁に話すような間柄でもなかったそうです。それでも、同じ会社で同期として働いているというだけで、「自分と同じように、どこかで頑張っている人がいる」と思えた。それが、友人にとって心の支えになっていたのだそうです。
その話を聞いて、私は少し驚きました。
人は、何かをしてあげなくても、何かを成し遂げなくても、ただ存在しているだけで、誰かの心の支えになれるんだ。
そんなことを思いました。
私は時々、「これができなければ認めてもらえない」「何者かにならなければ、自分には価値がない」と思ってしまいます。
何かを成し遂げることや、社会の中でちゃんとした場所を持つことに、自分の価値を結びつけてしまう。
そうすると、何もできていない自分が、急に空っぽに思えてくる。
特に今は、三十路、住所不定、無職。
自分でも笑ってしまうような肩書きですが、笑っていられないくらい、焦る瞬間もあります。
周りの人たちはそれぞれの場所で人生を進めているのに、自分だけが立ち止まっているような気がする。
そんなときに聞いた友人の話は、なんだか私を全肯定してくれるようでした。
「何者かにならなくても、あなたがそこにいること自体に意味がある」
そう言われたような気がして、少しだけ心が軽くなりました。
考えてみれば、私にとって大切な人たちも、何か特別なことをしてくれるから大切なのではありません。
元気でいてくれる。
どこかで生きていてくれる。
たまに思い出してくれる。
それだけで、充分だったりする。
だったらきっと、私も誰かにとって、そんな存在なのかもしれない。
何かを成し遂げたからではなく、
役に立ったからでもなく、
ただそこにいるから。
自分の価値を証明することに疲れたときは、そのことを思い出したいと思います。
