二十五の弦の上に蝶が留まった。
手の先から流れる音に乗って
羽をひらひら
そうして花になった蝶よ、お前の堂々たる姿に
我を忘れて、音に酔いしれたのだが。
あぁ、エラン。
カヤグムの弦の上に君が座っていたんだね。
貞洞劇場<裵裨將傳>カヤグムの話
貞洞劇場<裵裨將傳>器楽チーム カヤグム演奏者ペ・ヒョヨンさん、ナム・ヨンジョンさんが伝えます。
カヤグムを演奏して約20年(ペ・ヒョヨン演奏者),13年(ナム・ヨンジョン演奏者)になります。カヤグムをなぜ習い始めたのか、これは難しい質問です。
その契機を文章で表現することが本当に難しく感じられます。
ただ良かったんです。 他の楽器より良かったんです。
「エラン」の魅力をカヤグムの弦で!堂々と、そして高慢に!
カヤグムの音は「エラン」を表現しています。 エランが初めての登場する第3場面(済州(チェジュ)妓生エラン)では、人物を初めて説明しなければならない場面であるだけに、「エラン」が持つ魅力をカヤグムで、最高潮で見せるために最も神経を使って演奏する場面です。
また、音楽的な観点から観ると、カヤグムがリードする場面でもあります。
エランのイメージをこの最初の場面で伝えなければならないと、舞踊家とも最も多く練習した部分でもあります。
エランの魅力で石像の隠れた本能が目覚めて一緒に踊ることになりますが、前半部では音楽の流れが遅いが中後半からはだんだん速くなりながら進んでいきます。
速い部分ではかえってテンポのとおり行けば良いですが、さらに神経を使って呼吸を合わせなければならない部分は前半部、遅い部分です。
ここでは本当に舞踊家と呼吸を合わせるために練習を最もたくさんしました。
カヤグム演奏者として描写しようとするエランのイメージは一言で「高慢」です。 作品全体でエランの多様な魅力が表現されるでしょう。
堂々たる美しさ。 その洗練美を表現するために、カヤグムを演奏する時「高慢に」、「堂々と」という気持ちで演奏します。「あの人の堂々たる感じ、あの高慢さを私が演奏でまともにつかまえなくては」という考えを持って演奏をします。
本当にその瞬間だけはエランになったと考えて演奏をしながらエランを表現しています。
劇音楽の喜び!
貞洞劇場<裵裨將傳>でカヤグム演奏は肉体的に大変です。 1時間の集中度とオクターブを行き来して、休む暇もなく演奏しなければなりません。 ですが、演奏と舞踊家の動作がよく合って入る時の喜びはそのような肉体的な苦痛は忘れてしまいます。 今回の作品は劇の流れが大好きです。 カヤ琴演奏者として喜びを持って演奏できる、音楽的力があります。
貞洞劇場<裵裨將傳>は曲自体がダイナミックで、劇音楽で踊りと音楽が場面と合う部分がとても多いです。 演奏と場面、舞踊家の動作と演奏がぴったり合致する場面が、あちこちに配置されています。
劇音楽を演奏しているので、演奏しながらも舞踊家を必ず見なければなりません。それでもって舞踊家と演奏者の呼吸的な部分、それを合わせて行くのが全体的な流れだと考えます。 最も喜びを感じる瞬間はその呼吸が合っている時でしょう。 私が舞踊家を見てその呼吸を感じて演奏をして、舞踊家も私の演奏を聞いて演技しているということが感じられる時、その時最も興奮します。
今回の公演音楽の最初の曲から最後の曲まで全体の流れが本当に良いと思います。裵裨将(べビジャン)がバンジャと共にエランに会いに行く場面で最後の終わり場面までが一つのテーマという気がしました。 一つの曲がずっと繋がっているのです。 作曲家さんも裵裨将がバンジャとエランに会いに行く石垣道の場面から最後のエランの部屋の場面までが一つの脈絡といわれました。 そのような意味で見た時、演奏しながらも一番おもしろく感じられる部分でもあります。
時にはベース楽器で、時には、旋律楽器で
貞洞劇場<裵裨將傳>の楽器構成で音域帯が一番たくさん出る楽器がカヤグムです。 25行改良カヤグムを演奏するので低いドから高いドまで音を出すことができます。 それである部分ではカヤグムがベース役割をしたり、またある部分では旋律役割をしています。
私たちの公演で裵裨将とエランが主人公であるように、大きく見れば、音楽的にも旋律楽器はデグムとカヤグムだけなので、共に引っ張っていかなければなりません。 なので、デグムと同じくカヤグムも休む暇もありません。 楽譜上でもカヤグムはずっと登場します。 演奏者としてすべての呼吸とリズムをからだにずっと持っていなければならないのが難しいところです。
運命的な出会い、大衆的な国楽器カヤグム
カヤ琴は私たちの国楽器で最も大衆的な楽器です。 簡単に接することができる楽器なので国楽を勉強しながら自然に知るようになったし、今まで演奏することになったようです。 記憶にはないですが、幼い時、どこかでカヤグムを見たことがあったのかご両親にカヤグムを買ってほしいとせがんだそうです。 子供がおもちゃをねだるように欲しがる点で、国楽器の中でもカヤグムは大衆的な楽器だと言えます。運命のように当然に、今後もカヤグムと共にするでしょう。
貞洞劇場<裵裨將傳>カヤグム演奏者ペ・ヒョヨンさん、ナム・ヨンジョンさんのカヤグムの話でした。 私たちの音楽が色々な方向で大衆に近づいて疎通する機会が多かったら良いと話す私たちの音調守りカヤグム演奏者ペ・ヒョヨンさん、ナム・ヨンジョンさん。貞洞劇場<裵裨將傳>でカヤグムの美しい旋律を鑑賞されるとともに、カヤグム演奏者ペ・ヒョヨンさん、ナム・ヨンジョンさんの今後の活動も期待してください!
貞洞劇場「美笑(MISO)」
公演日時:Open Run 16:00/20:00 月曜日公演なし
電話:02-751-1500
HP:www.jeongdong.or.kr
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