「夏の寓話」
”夏の終わりのハッケヨイ!”2
晩ごはんはライスカレー
・・・だったような気がする。
『巨人の星』では”魔送球”が
えぐかった・・気もする。
とにかく、すべてのことが
見たこともない、
”F町の土俵”にむいていた。
じっちゃんにおかれましては
「ばあさんや、あしたはあれだ、
ほれ、あのいつもの・・・」
「はい、はい。
白の麻紺の。かけてありますよ。」
「うむ。ほしたら、あと・・」
「お帽子と杖も、ごいっしょに。」
ふとみると、となりの部屋に
百貨店の飾りつけのように
靴まできれーいにかけてある。
「なんせ、うちのぼんが
相撲大会の選手に
選ばれたっちゅーだから。
へたなかっこじゃ行かれん。」
「ふぇえ?じっちゃん、くるの?」
「あたりまえじゃ。
テツヤに酒一升やって
大会役員席を手に入れた。」
「げっ!いつのまに・・。」
「明日、必ず勝てる方法が
ひとつだけある・・。」
「え?」
「”ぶちかまし”といって、
立ち合いの時にあたまから、
ガツーン!とあたる。
それだけ。勝つ。」
「ほんと?勝てる?」
「技もいらない。
ただひとつだけいるものは・・」
「(ゴクリ)」
「勇気、だ。」
「勇気・・・。」
「そうだ。相手の目を見て、
まっしぐらに突っ込んでゆく、
その、勇気だ。」
「・・・・。」
「それは、自分のためだけでは
もつことはできないんじゃ。
自分の大切な人、ものの
ためにこそ、もてるもの。」
「ふぅ~ん。」
「ふふふ・・。まだわからんでよい。
ま、ちとおぼえとけ。」
おぼえておこう、とおもった。
おもったら、その夜・・
『ブチカマシ』という怪獣が
夢の中で大暴れした。
まいっちゃうなー、もう。

