貧困の光景 貧困の光景
著者:曽野 綾子
販売元:新潮社
発売日:2007-01-17
おすすめ度:3.5
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貧困社会が叫ばれている
これには2種類あると思う
経済的貧困と精神的貧困

この作品はアフリカ諸国等における貧困の光景をルポしている
うーん、「本当の貧困とは何か?」ということを追及しているが、その根底に「私はこんなことをしてます」という主張が強い
「日本と比べて」という視線にはどうも上から目線が感じられる
どこか、キリスト教の自己犠牲に酔う姿が見え隠れする
日本の貧困とアフリカ諸国に見られる貧困には根本的な違いがあるのではないかと

差別用語に関する指摘は興味深かった
何でもかんでも差別用語に括ってしまうのはどうかということには共感する
差別用語に関することについては、やはり自分なりに如何に解釈しているのかということを持っていなければならない
微妙な言い換えには疑問を感じるし、作家が死んでからの「作家は故人であり」にも疑問を感じる
山崎豊子の作品には所謂「差別用語」が連呼される
未だ、生きている
もし、死んでから「故人」云々を言えばそれこそ確信犯的な差別だろう

福島瑞穂に関する指摘は面白かった
確かに、日本しか見ないで叫んでいるおばさんには幅がないだろう
まあ、日本の格差社会の現実も見えていないだろうけど

今日の結論
「精神的な貧困は救いがない」