初めて彼の作品に出会ったのは高校生の頃
『吉原御免状』

読書を本格的に始めたのは中学1年生の夏に入院していた頃
推理小説を乱読し、高校に入ってから時代小説にはまった
よく、歴史小説と時代小説が同じジャンルのように思われるが、私は違うと思う
時代小説は伝奇小説の部分も持ち合わせると思うからだ

柴田錬三郎さん、池波正太郎さんが大好物
「眠狂四郎」、「剣客商売」や「鬼平」にはまった
全てを読み尽くしたときに目にしたのが『吉原御免状』

タイトルの「吉原」
妄想が広まり、この本だけは手にするまいと思っていた
しかし、読むものがなくやむを得ず手に取った
そこから彼の作品にはまってしまったのだ
「何が良いの?」と聞かれるが、まず「読んでみては如何?」と勧める
この作品は何度読み返したか分からない
気がつけば文庫がボロボロになっていた

1989年に66歳で天に召された
彼の作品に出会ったのが晩年であったことが悔やまれる
作品数は未完も多く、全集になっても6巻しかない
しかし、その作品の質は全て高いと私は思う
人好きずきだろうけど

よく考えれば、私の好きな作家は皆お亡くなりになられている
寂しいが、その作品に出会えた事は本当に幸せなことだと思う