「東京少女」(08年・日本)
監督:小中和哉
出演:夏帆、佐野和真、福永マリカ、秋本奈緒美、近藤芳正
上映時間:98分
評価点:7/10
コメント:
<ストーリー>
将来、SF作家になることを夢見る高校生の未歩(夏帆)は、ある日突然母(秋本奈緒美)に再婚相手(近藤芳正)を紹介され動揺する。
未歩がレストランから逃げ出した直後に地震が起き、彼女は携帯電話を落としてしまう。
消えてしまった携帯の行方を探すため電話した彼女とつながったのは、明治時代に生きる夏目漱石の門下生で小説家志望の宮田(佐野和真)だった。

堀北真希主演の「東京少年」に続連作ということで、主演に「ケータイ刑事銭形零」の夏帆を据え、再び丹羽多門アンドリウとのコンビでおくる100年の時空を超えて繋がる2人の恋を描いた物語です。

作品のテーマである「叶わぬ恋」だとわかっているけれども、携帯電話を通して会話をする2人の瑞々しく、真っ直ぐな姿に好感が持てます。

特に携帯電話を片手に100年の時空を超えて、銀座や日比谷公園をデートする光景は、観ていて幸せな気分になれましたよ。

明治と平成と時代は違えど同じ時間と場所を歩いたり、同じお店で食事を楽しんだりと有り得ないなかにもちょっぴり実際にできそうなところが魅力的に映るんでしょう。

デートの途中、宮田が未歩へと贈り物をするシーンは素敵なもので、タイムループを見事に利用したあたりも良かったと思います。

何というか、心の奥にある感情を擽られている感じというのでしょうか。

そんな感情を抱かせるのも夏帆と佐野和真が持っている「青さ」がなせる業なのかもしれません。

夏帆についてはナチュラルな演技といえばそうなんですが、もっと演技の型を身につければ女優としての幅が広がる気がしないでもないですが。

とにかく、この作品とても好きです。

作品のところどころで安さを感じてしまう部分もありますが、そこらはご愛嬌として、作品の設定など全編の雰囲気は最高ですよ。

ちょっぴり、切ないながらも力がもらえますしね。

劇中の時を超えたデートがたまらなく惹かれたこともあって、思わず映画終わりに本屋によって明治時代と現代の町を見比べることができる地図を購入してしまいました。

ベタな恋愛物語とタイムループなどの要素が好きな人にはもってこいの作品だと思います。