「アルゼンチンババア」(06年・日本)
監督:長尾直樹
原作:よしもとばなな
出演:役所広司、鈴木京香、堀北真希、森下愛子、小林裕吉、手塚理美、田中直樹、きたろう、岸部一徳
上映時間:112分
評価点:5/10
コメント:
<ストーリー>
17歳の女子高生、みつこは母親を病気で失い、その日から父・悟も失踪してしまった。
半年後、悟が“アルゼンチンババア”と呼ばれる奇妙な女性と暮らしていると聞き、彼女は2人が住む廃墟のような屋敷に乗り込んでいく。
ひとことで言えば、妻(母親)を失った父と娘の絆の再生を描いた作品でしょう。
そのきっかけとなるのが、鈴木京香演じる“アルゼンチンババア”。
原作でどのようなキャラクターとして描かれているのかはわかりませんが、少なくとも劇中の彼女は“ババア”ならぬ“マダム”といった方がピッタリな雰囲気でした。
鈴木京香が演じているせいもあるのか、汚らしい格好で異臭をまとっているような近寄りがたい雰囲気が伝わってこなかったんですよね。
「アルゼンチンババア」というインパクトあるタイトルから想像するだけの印象がなかっただけに、少々拍子抜けといった感じでしょうか。
また、随所に笑える場面があるものの、どこか作品のバランスが悪いのか、活かしきれていない気がします。
逆に、その温度差が劇中の父娘、“アルゼンチンババア”の3人とそれを取り巻く登場人物を表現するための演出だとするならばさすがですが・・・。
とはいえ、安心して観ていられる出演陣とあって、田舎の田園風景の中で描かれるのどかなファンタジーをそこそこ楽しめるのではないでしょうか。