『ラフ』(06年・日本)

監督:大谷健太郎

原作:あだち充

出演:長澤まさみ、速水もこみち、阿部力、石田卓也、高橋真唯、黒瀬真奈美、市川由衣他

上映時間:106分
評価点:6/10

コメント:

 『タッチ』に続き、長澤まさみがあだち充作品に出演とのことで、話題性も含め鑑賞。

<ストーリー>

実家が和菓子屋である大和圭介は、高校水泳部の競泳選手。その彼に初対面で「ひとごろし」と言い放った、同級生で飛込選手の二ノ宮亜美。突然の言葉に困惑する圭介は、彼女の実家も和菓子屋で宿敵同士と知る。


原作を読んでいる人の話では結構別物に思えるストーリーに出来ているそうですね。

事実、映画に登場するエピソードを話したら頭の上に「?」が浮かんでましたから。。

とはいえ、原作を読んだことがないので、先入観も無く普通に楽しめました。

欲をいえば、レースを細かく盛り上がるように描いて欲しかったですね。

何ともアッサリしている気がするのは僕だけでしょうか。

また、作品の長さや話しの的が絞られているのは好印象なんですが、キャラクターや人間関係の部分はもう少し厚みを出しても良いかなと思います。

けれど、この作品を観て一番思うこは・・・。

とにかく、“もこみち”がカッコいいってことに尽きる!

正直、あまり好きではないんですが、そのルックスにあのスタイルには感心させられました。

演技はまだまだだけど、とりあえずそのヴィジュアルだけで合格点ってところでしょうか。

『タッチ』に引き続いてあだち充作品に主演の長澤まさみは、『タッチ』の時に比べるとはるかにあだち充作品のヒロインっぽさが出ていたのではないでしょうか。

「アリーナ」のジャージ姿も可愛かったですね。

でも、今作の演技を観た限りではまだまだアイドル女優の域から脱することができていない気がします。

作風の影響もあるかとは思いますが、根本的にもうワンランク上を目指して欲しいと思います。

それと、市川由衣・・・。

彼女は相変らずの役どころでしたね。

原作に登場するキャラクターだけに出さざるを得ないのでしょうが、原作を知らない僕からしたら「不要な人物」にしか思えませんでした。

個人的には主役2人と仲西の間に割って入って、作品を掻き回すことを期待したのですが・・・。

長澤まさみに次ぐ女性役の割りには、作品に与える影響を感じられぬまま終了といったところでしょうか。

これが彼女自身の問題なのか、作品によるものなのかは判断できませんが、少なからず他の作品で彼女が演じる役に魅力を感じないのは確かです。

そういう意味では、『NANA2』でどこまでやれるのか楽しみではあります。

そういえば、この作品で東宝シンデレラのグランプリに選ばれた新人、黒瀬真奈美がデビューしているんですよね。

あのワンカットにしろ、エンドロール後に流れるシーンにしても、彼女が一番美味しい撮られ方してるんではないでしょうか。

さすが、将来を期待された女優は違いますね。

期待の新人のデビュー作品としてチェックするもよし、原作と見比べて楽しむもよし、若手俳優陣の頑張りを観るもよし。

劇中に流れるスキマスイッチの曲を聴きにいくもよし。

全編、長澤まさみと速水もこみちのPRビデオとして気楽に観ることができる作品ではあります。