私は、東京の大学へ進学した。いろいろな理由をしゃべっても、やはり第一の理由はさゆとこれ以上離れたくなかったからだ。さゆたちとは、違うところに一人暮らしをすることになった。同居を母に勧められたが大学が遠いということで、また意志を張ってしまったのである。これなら田舎にいたのと変わらないなと思うこともあったが、それでも幾らか会いやすくはなっただろうと考えていた。また、むしろ、良いこともあった。私は、さゆが出演するものは全て録画していたし、写真集やグッズなどあらゆるものを収集したので仮に同居していたら、たちまちに彼女らの知るところとなっただろうが、その心配を全くしなくてよくなったということだ。さゆがたまに顔を出しに来たりするときは勿論隠した。