生の前提として死がある

そこで問題となるのが死の質である

良質な死に裏付けられた生はやはり良質であるはずだ
我々はどのように死ぬかを考えつつ日々を生きねばならぬ

良質な死として、2つの態様が考えられる

公的犠牲による死と私的犠牲による死である

この小説で取り上げるのは後者であるため、前者は措くことにする

さて諸君は、五尺の命を捧ぐべき対象をもっているか
持っていれば、彼は洵に豊饒たる生を享受できるだろう

この小説では、サユミを偶像化している

サユミのためならば我が命を擲つ覚悟があるということだ



次の連載迄乞うご期待