ドラマケーションにある4つのカテゴリー
・関係作り
・身体で感じる
・コミュニケーションを楽しむ
・表現を楽しむ
今回は「関係作り」について書いていきたいと思います。
なぜ「関係作り」をピックアップしたかというと、ビギナーファシリテーターが躓きやすい部分であるからです。
言葉が変わったことについてちょっと寄り道します。
もともとは
仲良くなる(関係作り)
となっていました。
ある小学校で
「うちのクラスは仲が悪いのでドラマケーションの実施は難しいです」
と言われたことがあります。むしろ関係改善のために取り入れてほしいのですが…。
また、仕事をする上では、個人的に仲が悪くても仕事を一緒にする状況はあります。
日常においても仲が良いわけではないが悪いわけでもない関係はあるだろうと思いまして、「仲良くなる」を外そうと思いました。
小学校低学年やそれ以下の場合であれば、「みんなと仲良くなろう」というのは良いのですが、活動全体を考えると当てはまらないわけです。
さらに、この「仲良くなる」の目的をテキスト等からまとめてみました。
目的は、大きく3つ。
1.自己理解、他者理解(※自己理解、他者理解はすべてのカテゴリーに含まれます。)
2.自身の心身の状態をフラットまたはニュートラル(前進も後退も自由自在の状態)にする。
3.自己表現をし易い、環境(場)を作る。
「仲良くなる」というよりは、むしろ「関係作り」の方がしっくりきます。
「結果、仲良くなることがある」ということはあります。
こういった経緯を踏まえて今は、
「関係作り」
としています。
寄り道から戻りまして、
誰との関係を作るのか?
他者との関係
集団との関係
が主になります。
場合によっては自己内対話を含めて、
自己との関係
も入れます。
どのアクティブメニューを選択しても良いのですが、「関係作り」で重視したいことは以下のこと。
・互いの存在を認め合う
・他者/集団を受け入れる
・集団の中での自己を受け入れる
どのアクティブメニューを選択しても良いとは言ったものの、アクティブメニューの特性がわかっていないと違うところに視点がいってしまった場合に上記の3つを達成できない場合があるので注意したいです。
たとえば、
ドラマケーションのテキストやコミュニケーション・アクティブカードには、
関係作りのところに、信号送り系のアクティブメニュー(ジップ・ザップやポンポン数字)が含まれています。
個人や集団が、「この人に信号を送って大丈夫だろうか」「知り合いがいないからどうしようかな」等を考えてしまう状態であったらどうでしょうか?
または、
円の中心に出てきて自分と同じ仲間を集めるアクティブメニューも関係作りのカテゴリーとして紹介されていますが、「みんなの前に出るが嫌だな」「恥ずかしいな」と全員が思っていたらどうでしょうか?
もちろん、ファシリテーターがそういったことを知るすべ確かめるすべとして実施を投げかけてみる場合もありますが、そうでない場合であれば「関係作り」として実施しているはずなのに「関係が築かれない」ということが起こります。
集団の状態把握とアクティブメニューの選択
非常に難しいように感じます。
小学校の時でもいつの時でも良いのですが、友だちと遊ぶ時、その時の遊びはどうやって決め選択されているかを思い返してみるとどうでしょうか?
おそらく、面白かったら続けるし、つまらなかったらやめようと提案するだろうし、違う遊びの提案もあるだろうし、やっているうちにルールが変わるかもしれないです。
なぜその選択ができたのか
どういう要素で選択していたのか
誰かにやらされているのではなく、みんなでやっているからです。
参加者の一人としてそこにいるから感じ取ることができ判断できるわけです。
関係作りには、ファシリテーターとの関係作りが含まれていて、ファシリテーターも参加者としていることを受け入れてもらえれば、関係作りで躓くことは激減するのではないでしょうか。
それが難しいです…。と聞こえてきそうです。
それはまたの機会ですね。
というと怒られそうなので、詳しくはまたの機会にするとして一言だけにします。
ファシリテーター自身が、自己理解を深めることです。