骨密度が低くなると、将来歩けなくなるのですか?
患者さまからこのような質問をいただくことがあります。
結論からお伝えすると、骨密度が低いとすぐに歩けなくなるわけではありません。
しかし、骨と筋肉の両方が弱る生活を続けていると、歩く力は確実に低下していきます。
◎骨密度は年齢とともに誰でも低下する
まず理解しておきたいのは、骨密度は自然に低下するものだということです。
特に女性は出産や閉経を経ることで骨密度が落ちやすく、骨がスカスカになりやすい傾向があります。
骨密度が低くなると当然、骨折のリスクが高まります。
転倒時の大腿骨骨折などは、その後の生活に大きな影響を与え歩行困難につながることもあります。
ただし骨密度が高いと歩けるというわけではありません。
◎歩くために必要なのは骨 と 筋肉のセット
歩行能力を左右するのは 骨の強さだけではありません。
歩行では骨が身体を支え、筋肉が身体を動かし、関節がクッションの役目を果たします。
骨と筋肉は車のタイヤとエンジンのような関係です。
どちらか一方が弱ってしまうと、動きは不安定になります。
・骨は強くても、筋肉が弱い → 転倒しやすく歩きが不安定
・筋肉は強くても、骨が弱い → 小さな衝撃で骨折のリスク
歩ける身体を守るには骨と筋肉の両方を維持することが条件なのです。
◎薬だけに頼るのは危険?生活習慣を変えなければ改善しない
医師による講習でのお話では、治療で処方されている骨粗しょう症のお薬(ビスフォスフォネートなど)は、骨密度を維持・改善する一定の効果はあるようです。
しかし一方で、
・胃腸障害の副作用が出やすい
・費用負担が大きい
といったデメリットもあり、必ずしも飲めば安心というものではないようです。
またお薬を使っても、運動、栄養、日光という生活習慣が伴わなければ骨は強くならない。
薬はあくまで補助ということが医師の見解のようです。
なので土台となる日常の習慣を整えることが最重要です。
◎ 骨を強くする習慣
講師の先生が強調されていた、骨密度維持に欠かせない3つの習慣をご紹介します。
最近ではあたりまえのことになりましたが
① 吸収率の高いカルシウムをとる
カルシウムは骨の材料。
賛否ありますが、最も吸収率が高く効率が良いのは 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品のようです。
特に夜は血中カルシウムが下がりやすいため、就寝前のヨーグルトやホットミルクが効果的のようです。
乳製品は苦手な方もいらっしゃるので他の食材でも良いとは思います。
② 日光を浴びてビタミンDをつくる
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の形成に不可欠な栄養素です。
しかし外に出ない生活・美白のために極端に紫外線を避ける生活を続けていると体内でビタミンDが作れません。
・1日10〜20分程度の散歩
・ベランダや玄関先に出て日を浴びる
これだけでも十分効果があります。
③ 骨に負荷をかける(運動・歩行)
骨は負荷をかけるほど強くなる性質があります。
これは骨のウォルフの法則と呼ばれる有名なメカニズムです。
・毎日の歩行
・立ち座りスクワット
・軽い筋トレ
・階段を使う習慣
・テレビで紹介されていた足トントン体操
こういった 少し負荷がかかる動作 が骨と筋肉を一緒に強くしてくれます。
反対に動かない生活は骨も筋肉も弱くなる生活で、フレイル(虚弱)を防ぐ意味でも運動は最も重要です。

◎ 引きこもり生活の落とし穴
コロナ以降、また近年の異常気象もあり外出機会が激減した方もいらっしゃいます。あまり心配すぎて日光にあたることがなくなるとビタミンDが作れません。
その結果骨密度は低下しやすくなります。
がしかし、日光ゼロよりも短時間だけでも日光を浴びる方が健康的には良いことです。
◎骨密度が低くても歩けなくなるわけではない
まとめると、大切なのは骨密度だけにとらわれず、骨と筋肉を守る生活を続けること。
特におすすめしたいのはこの3つです。
・乳製品などでカルシウムを補給
・日光を浴びてビタミンDを作る
・歩行や運動で骨に負荷をかける
なによりもまず 生活習慣からの改善 が基本になります。
ご自身の体力に合わせて無理のない運動から始めてみてください。
骨や歩行について不安がある方は、当院でもご相談を受け付けています。
お気軽にご相談ください。