「為替ニュース」から
とれんど捕物帳 11月は荒れる月 特にクロス円には要注意
:2010/10/30 (土) 07:55
今週はドル安一服の展開だったが、トレンドを変えるまでには至らず、ドル円は強い下げトレンドを継続、ユーロドルも上昇トレンドを継続している。
目立ったのはポンドドルが強い上昇トレンドに一気に変化したこと。英GDPが予想以上に強かったことで、ポンドの見直しに繋がり、これまでの対ユーロでの
下落による圧迫から開放されたようだ。ドル安一服というよりも、むしろユーロや豪ドルの上昇トレンドが一服していたとも言える。ユーロ円や豪ドル円もトレ
ンドを落とす動きで、緩和組と位置づけられていたドルとポンドはユーロや豪ドルに対して下げを一服させた週となった。
変化のきっかけは来週11月2~3日のFOMCに対する思惑。国債買取増額による追加緩和第2弾を打ち出して来ることは確実視。それ自体は織り込み済みだ
が、問題は規模。当初は5000億ドル規模の資産買取を3~6ヵ月程度に渡って実施というのがコンセンサスとなっていたが、これが数千億ドル規模を数ヵ月
に渡って実施との観測報道もあり、市場の緩和熱はトーンダウンした格好。
先週末のG20財務相会合後に飛び込んできた観測だが、G20ではアジアなどの新興国はもちろんのこと、ドイツもドル安を牽引している米金融政策に対する
不満をあらわにしていたという。オバマ政権は輸出による雇用、景気回復を重点政策に置いている。ただ、ドル安により米輸出企業の採算は有利になるが、過度
に進めば、輸出先の経済そのものが悪化し、モノ自体が売れなくなり、本末転倒になってしまう可能性も否定できない。
更に、雇用が改善しなければ、デフレリスクは温存されることになるが、追加緩和が本当に雇用改善に繋がるのかという議論も含めて、FRBは難しい舵取りを迫られそうだ。
◆11月は荒れる月 特にクロス円には要注意
さて来週は、11月初めの週となるが、まずはFOMCの結果次第と言う他はないだろう。11月は荒れる月というイメージが強いが、そのこけら落としにふさ
わしいイベント、雰囲気となっている。FOMCのボードメンバーは、喧々諤々、激しい議論を展開することが予想され、米金融政策の展望については、3週間
後に発表されるFOMC議事録まで確認する必要があろう。
FRBは小規模の緩和から打ち出して来る可能性も高まっているが、その場合は素直にドル買いになるのかもしれない。しかし、その一方で、上昇を続けて来た
米株や商品といったリスク資産のロングポジションを解消する動きが強まることも想定され、為替市場のシナリオとしては、リスク回避からの欧州通貨及び資源
国通貨売り・円買いが強まる可能性も十分にある。せっかくのドル買いも、もしドル円がクロス円下落に飲み込まれるようであれば、正真正銘の円高ということ
になる。そうなると介入というキーワードも浮上。週末の米雇用統計も含めて波乱の月の幕開けになることも警戒される。クロス円の動きには要注意。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
()は前週
◆ドル円(USD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)
◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓)
◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(↓↓)
◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓)
◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↑↑)
◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(→)
(注)
↑↑↑ トレンド強
↑↑ トレンド中
↑ トレンド弱
→ トレンド無し
【概要】
幾つかのシグナル(内容は秘密!)を合成し、各通貨ペアの中期と短期のトレンドを示しています。中期は先週末からのトレンドの変化を言葉で説明。短期は矢
印でトレンドを表記、矢印の本数は強さを示します。強ければ最大3本の矢印が表示されます。期間は中期が2ヵ月程度、短期は2週間程度を傾向です。
来週の主な予定 FOMCを始め各国の政策金利発表 米中間選挙と雇用統計も
:2010/10/30 (土) 07:50
1日(月)
中国製造業PMI(10月)
米PCEコア・デフレータ(9月)
米個人所得・支出(9月)
米ISM製造業景況指数(10月)
2日(火)
日銀金融政策決定会合議事要旨(10月4、5日分)
豪中銀政策金利
インド中銀政策金利
米中間選挙
3日(水)
日本は祝日(文化の日)
米ADP雇用統計(10月)
米ISM非製造業景況指数(10月)
FOMC政策金利
4日(木)
日銀金融政策決定会合(15日、16日分の前倒し開催、5日まで)
豪小売売上高(9月)
英中銀政策金利
ECB政策金利
トリシェECB総裁記者会見
米新規失業保険申請件数(10月30日までの週)
5日(金)
日銀政策金利
豪金融政策四半期報告
英生産者物価指数(10月)
カナダ雇用統計(10月)
米雇用統計(10月)
米中古住宅販売成約指数(9月)
アトランタ連銀での公開討論会
(参加)
ロックハート・アトランタ連銀総裁
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁
フィッシャー・ダラス連銀総裁
ブラード・セントルイス連銀総裁
ラッカー・リッチモンド連銀総裁
APEC財務相会合(6日まで)
ドルが対円で下落、FRBの追加緩和めぐる警戒感高まる
[ニューヨーク 29日 ロイター] 29日のニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和の規模をめぐる不透明感に圧迫されドルが対円で下落。相場の乱高下に備えたオプション市場でのヘッジが活発化した。
ドル/円は18日につけた15年ぶりの安値に迫った。第3・四半期米国内総生産(GDP )速報値は、FRBが追加緩和に踏み切るとの市場の観測を変えるには至らなかった。
ロイターデータによると、終盤時点では0.6%安の80.42円となった。
来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)のほかに中間選挙や雇用統計の発表が予定されており、オプション市場では量的緩和をめぐる懸念が高まっていることが示された。
クレディ・アグリコルのシニア通貨オプションストラテジスト、サイモン・スモレット氏は「市場には若干不安がある。量的緩和に関する不安や、多くの通貨がドルに対して買われすぎているという不安だ」と指摘した。
その上で「多くの要因が存在する。重要なのは、スポット相場での値動きは比較的抑制されているように見えても、リスクオフのヘッジが市場に戻ってきたことだ」と述べた。
オプション市場ではユーロ/ドルのリスク・リバーサルがプットに一段と傾いた。豪ドルや韓国ウォン、ユーロ/円などに対する警戒感も高まっており、リスク・リバーサルはプットが優勢になっている。
ただ一部のアナリストは、FRBの追加緩和をめぐる懸念は行き過ぎとの見方を示している。
CIBCワールド・マーケッツの首席エコノミスト、エーバリー・シェンフェルド氏は「経済がかなり悪化すれば、連邦公開市場委員会 (FOMC)で量的緩和の第3弾、第4弾が打ち出されるかもしれない」としながらも「今回の第2弾(QE2)は5000億ドルを超えることはない。一度に 1兆ドル規模との見方は後退した。FRBの発表を受けて市場で大きなショックが起きるとは予想していない」と語った。
方向感つかむに至らず、流動性相場の行方判断は全イベント終了後か=来週の東京株式市場
[東京 29日 ロイター] 来週の東京株式市場は、ビッグイベントが満載で材料に事欠かないにもかかわらず方向感をつかむのが難しい展開になる
可能性がある。最大の注目は米連邦公開市場委員会(FOMC)だが、材料出尽くしになりドルキャリーの巻き戻しから円安が進んだとしても、海外株安や商品
安のなかで日本株だけが上昇するのは難しい。逆に市場予想を上回るような量的緩和策が導入されてドル安・円高が進んだとしても後に控える日銀決定会合が
「防波堤」となる。流動性相場という「宴」に続きがあるのかは来週では判断しにくいだろう。
日経平均.N225 の予想レンジは8900円─9700円。
FOMCの一つの焦点は量的緩和の規模にある。だが、市場予想を上回ったか、下回ったかの判断は難しい。「5000億ドルが市場予想の中 心」(国内証券ストラテジスト)とみられているが、ロイターが27日に実施した米プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)調査では予想レンジ が2500億─2兆ドルとなり、意見が大きく分かれた。FOMC終了後も10月米雇用統計などを控えており、追加緩和の可能性を見極めようと市場には気迷 いムードがただよう可能性もある。
仮に失望感が強まればドルキャリー巻き戻し、市場を満足させるような規模であっても出尽くし感が強まれば、同じくアンワインドの動きが出 るとみられているが、ドルキャリーの巻き戻しは、日本株にとってそれほど悪いことではない。新興国の株式や通貨、コモディティ市場に流れ込んでいた資金が 引き揚げられる可能性はあるが「日本株にはもともと資金が流入していたわけではなく、引き揚げられる資金も少ない」(国内投信フォアンドマネージャー)と いう。その半面、ドル安・円高トレンドが反転すれば日本株にとってプラスだ。
とはいえ、海外株安、商品価格下落のなかで日本株が積極的に買われるかには疑問の声もある。「世界景気減速懸念に結び付けば、世界の景気 敏感株である日本株へのマイナス影響が大きくなる」(みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏)ためだ。海外株よりもせいぜい下げ幅が小さくなる程 度ではないかという。
2─3日のFOMC直後の4─5日に日程を前倒しされた日銀金融政策決定会合の「存在」も、投資家がポジションを傾けにくい要因だ。白川 方明日銀総裁は会見で、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J─REIT)の買い入れの早期実施が日程前倒しの目的としているが、市場で はFOMC後の為替などの動き次第では追加策が出るのではとの見方も出ている。FOMC後もすぐにはドル売り・円買いを仕掛けにくい。
一方、ばんせい投信投資顧問・調査部長の廣重勝彦氏は日銀会合後に為替と株式相場が動く可能性があると指摘する。「日銀は市場の期待を日 程前倒しでつなげた分だけ失望リスクも大きくなっている。ただ、こう着相場が続いているだけに、いったん円高・株安に振れた方が反発しやすいかもしれな い」という。
<イベント目白押し>
2日は米中間選挙。4─6日には京都でAPEC財務相会合が開かれる。米中間選挙では共和党優勢が伝えられており、オバマ政権には打撃となる。政策の遅れにつながるとの見方が広まればマーケットにはネガティブだ。
また国内外で中銀の政策会合がある。2─3日にFOMC、4─5日に日銀金融政策決定会合、2日に豪中銀理事会、3─4日に英中銀金融政 策委員会、4日にECB理事会の金利発表がある。市場では「財政に頼れず国民の不満が高まるなか、通貨安による輸出促進をどの国も志向するはず。金融緩和 基調は当分続くだろう」(みずほ証券の瀬川氏)との声が聞かれる。
マクロ指標も重要統計が多い。1日は、9月米個人所得・消費支出、9月米建設支出、10月米ISM製造業景気指数、3日は、10月ADP全米雇用報告、9月米製造業新規受注、10月米ISM非製造業景気指数、5日は10月米雇用統計がある。