いつものクエスト。変わらない景色。

 

 

 

 

 

ありふれた日常で思い出す、あの日の気持ち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、4月の終わりの、霧立ち籠める龍祭壇での出来事でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EP4も完結し、ラスボスのデウスエスカ・ゼフィロスが襲来。

アークスが一丸となって地球を守る毎日。

 

 

 

 

わたしもその流れに身を任せ、新武器ゼイネシス・シリーズのコレクトファイルを終わらせるために龍祭壇に降り立った時の事でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍祭壇といえば、他のフィールドとは一味違う「難解なマップ」が有名です。

 

普通のフィールドでは「とりあえず上に向かおう」とか、「左下スタートだから右上かな」とか、ある程度次のステージへの出口を予想することが出来るのですが、龍祭壇だけはそうはいきません。

 

 

 

 

出口がはたして右なのか左なのか、上と思わせておいて実は下なのか…

 

長年経験を積んだベテランアークスもおよそ予測不可能なマップが多いことで有名です。

 

 

アークスの間では、これを俗に「く○マップ」と呼んでいたいりもします

( ˊᵕˋ ;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コレクトファイルでゼイネシスシリーズのファイター武器を入手するには、ベリーハード以上のドラゴン・エクスを数体討伐する必要がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍祭壇かぁ…  めんどくさいなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

もっと手軽にドラゴン・エクスを討伐できるクエストはないかいろいろ調べてみましたが、どうやら龍祭壇しか無いようでした。

 

 

 

 

 

 

 

デウスエスカは残酷です。

 

こちらのコレクトファイル事情を考慮せず、毎日毎日、決められた時間に地球を破壊しにやってきます。

 

いつまでもコレクトファイルを更新しないでいるわけにもいかないので、新武器に思いを馳せながら、重い体を引きづりながら、いっそのこと遭難する覚悟で龍祭壇の地へ降り立ちました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近ようやく完成させた自慢の愛機「ロデオドライブ零式専用ランチャー」に跨り、どんよりと霧がかった龍祭壇を探検していると、どこからともなく周囲チャットが響き渡りました。

 

 

 

 

「出口うえ!」

 

 

 

 

…最初は誤爆かな?と思い気にも留めないでいましたが、また周囲チャットが霧の龍祭壇に響き渡りました。

 

 

 

「出口右上だよ!」

 

 

 

お互いにキャラクターの姿は見えていないけど、これはもしかしてわたしに出口を教えているのかも…!

 

 

 

半信半疑ながらそのチャットの主のいう通り、マップ左側には目もくれずロデオ零式で右上へ進むと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当にありました。

 

次のステージへのワープポイント!

 

 

 

 

 

 

 

 

親切な人もいるもんだなぁ(๑´ސު`๑)

 

 

 

 

 

そんなことを思いながら次のステージを探索していると、さっき道を教えてくれたアークスとすれ違いました。

 

 


あの人は右に行ったから・・・わたしはまっすぐ!

 

 

 

 

今度はわたしが道を教えてあげる番。

 

あの人よりも早く出口を見つけなきゃ・・・!

 

 

 

 

 

コントローラーを握る手にも、少し力が入ります。

 

 

・・・すると、探索の途中で目的であるドラゴン・エクスとエンカウント。

 

 

本来ならば、ひとりでそそくさと倒してしまうところですが、まだこのフィールドにはさっきのアークスがいるはず・・・

 

目的も同じはず・・・教えたら喜んでもらえるかもしれない!

 

 

 

 

 

「エクス出ました!」

 

 

 

 

わたしはそう言って、その人が来るのを少し待つことにしました。

 

すると、奥の方から「ありがとう!!」と言いながらさっきのアークスが駆けつけてきました。

 

 

 

 

恩返しが出来たことへの喜びで少しにやけ顔で、2人でドラゴンエクスを討伐。

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬く間に、地にひれ伏すドラゴン・エクス。

 

 

討伐後にお互いの方を向いて、手を振りあいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・その後すぐに緊急クエストの時間になり、そのアークスとはその後会うことはありませんでした。

 

 

 

今思えば、「ありがとう!」ってちゃんと伝えたかったなぁ・・・なんて思いもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たまたま同じ時間に、その場所で一緒になった何の面識もないアークス。

 

 

交わした言葉数は少ないけれど、その言葉はすべてそっけないものだったけれど。

 

 

 

 

わたしはそこに久しぶりに感じる「心地良い、ゆるいつながり」を感じる事が出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・思えば、PSO2というゲームをはじめたばかりの頃、オンラインゲームそのものが初めてだったわたしはロビーでの何気ないチャットにさえ目を奪われていました。

 

 

「このキャラ達は全部、NPCなんかじゃなくて画面の向こうには人がいるんだ・・・!」

 

 

クエストでは、先輩アークスのオートワードにどぎまぎして、オートワードの存在すら知らなかったわたしは「なんて答えればいいんだろう・・・!!」と本気で考えたりもしました。

 

 

レベルアップした時には、見ず知らずの先輩アークスが「おめでとう!」と声をかけてくれたこともありました。

 

 

 

 

 

いつの間にか忘れてしまって、それが当たり前になってしまっていた自分に気がつきました。

 

こういうゆるいつながりこそが、オンラインゲームの醍醐味なんだな・・・

 

 

改めて、そう感じる事が出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

いつものクエストで、いつもと変わらない景色で。

 

 

 

 

こんな素敵な気持ちを思い出させてくれたあのアークスにもう一度会えたら、今度はちゃんと「ありがとう」って伝えたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと気がつけばいつの間にか、龍祭壇に立ち籠めていた霧は晴れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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