信じられないことが起こっていた。


津波から数日後、

実家家族が自宅を見に行った。

水に浸かったが、2階が残っていて、

クローゼットに洋服があるのを確認していた。


それからしばらくは

家を見に行くことはなかったそうだ。

が、なんと、次に行った時には、

クローゼットいっぱいにかかっていた

洋服がなくなっていた。

火事場泥棒の仕業だ。

重油まみれになってしまった服なのに、

使用出来る出来ないにかかわらず盗まれた

家に入り込めるように、ガレキ板を橋渡ししてあったり、

小さい引き出しなんか外に転がっていて開いていた。

ほんとムカツク。

近隣の市では、中○人が遺体から盗ったであろう腕時計を

両腕いっぱいにジャラジャラつけていた、

そんな話がいっぱいある。

倒れた電柱から電線を持っていったやつらもいる。


大事なものは最初に持ち出していたから

盗られて惜しいものは喪服ぐらいだと、母が言った。

こんな時でも、誰かの葬式のことを心配しているのだ。


火事場泥棒するやつらが死んでしまえばよかったのに、

そいつらを捕まえて、

原発修理に防護服なしでいかせれればいいのに、

そう思った。