夏休みの過ごし方 | 新・中学受験塾講師の独り言

新・中学受験塾講師の独り言

がんばれ!受験生!

夏休みまで残り1か月あまりとなりました。

私が勤めている塾では、毎年8月初旬に夏期講習会とは別に集中特訓が開催されます。

 

例年、5年生の参加率は半分以下という状況といえますが、6年生に限っていえばほぼ全員が参加するイベントです。ところが、今年はなぜか参加率が低いのです。

 

今年もその予定ですが、私は毎年集中特訓で教壇に立っています。そして、この集中特訓の最大の効果は何かというと、大幅な学力向上というよりは、受験生としての自覚、そして体力的に厳しい日程が続く2月の受験スケジュールに耐えうる精神力と体力を養うことにあると考えています。

 

集中特訓では、初めて会う他校舎の生徒と共にある種異様に高揚した雰囲気の中で5日間を過ごします。そのような中で培われた何らかの見えない力は確実に受験生であるという自覚につながっていきます。勉強を「やらなければならない」という意識から「やりたい」というシンプルな意識へ変貌していきます。

 

私は毎年、集中特訓の昼休みには、誰でも質問にこれるよう、即席の質問対応席を作り、自分が担当しているクラスの生徒に限らず、誰でも質問にこれるような環境を作るようにしています。

 

初日に質問に来るのは、自分が担当しているクラスの生徒がほとんどですが、2日目以降は、「ぼくも質問していいですか?」のように、他クラスの生徒も質問にくるようになり、最終日の昼休みともなるとかなりの長蛇の列が出来るようになります。

 

集中特訓で学力が上がるかといえば絶対上がるとまでは言い切れません。しかし、受験生としての意識は確実に上がります。このように高い意識を持った状態で勉強することがとても大事だと思うのです。

 

 

一方で、集中特訓に参加しない生徒に対しては、同等の勉強時間となるよう大量の宿題を出します。しかし、それでは受験生としての意識が芽生えるかどうかまではなんとも言えません。

 

 

たしかに志望校合格には合格に必要な実力が求められます。そして、この実力には、学力のみならず、体力や精神力も含まれていると考えます。2月1日の午前午後を受験という過酷な環境の中で過ごし、さらに翌日も同様のスケジュールをこなさなければならない。そのような中学受験を乗り切るためには、学力だけでは心許ないのです。

 

「やりきった」という自信は何よりも受験生の実力を底上げしてくれます。最後の1点をつかみ取れるかどうかの分岐点になるとすらいえます。このようなメンタル面の成長は簡単ではないのですが、集中特訓ではわずか5日間でこれをつかみ取れるチャンスになります。

 

 

6年生の夏休みは、学力と共に受験生としての意識を高めるための期間だと言えます。

 

 

受験生のとって最高の夏休みとなりますように。