算数のノートはこう使う | 新・中学受験塾講師の独り言

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ノートの使い方は人それぞれ様々ですが、解きっぱなしで一度書き込んだページはもう二度と見ないという復習をしない前提での使い方を除けば、やはり復習の際に見やすい状態になっている方が良いと思います。

 

算数の問題を解く際、面積図や線分図のように思考過程をビジュアル化したり、思考過程に関するメモ書きを書いて解くようにしないと成績はなかなか上がりませんので、私が担当している生徒には、徹底して面積図や線分図、メモ書きを書くように指導しています。式と計算過程しか書いていない状態で正解に至った場合には、面積図や線分図、メモ書きを書くよう改めて指導します。

 

なぜ、このような指導を徹底するのかというと、入試問題の多くが大人でも整理が難しいと感じるほど、複雑な思考過程を経て正答に至ります。となると、その複雑な思考過程を頭の中だけで解決しようとすると、どこかでミスが発生してしまいます。

 

そのようなミスを防ぐためにも、図を書いたり、問題を解く際にやるべきことを順にメモ書きしておく、というようにちょっとした工夫をすることが必要になります。

 

 

このような工夫をすると共に後から復習しやすいノートにするためには、ノートを見開きで1ページまるまる使うのが良いと私は考えています。

 

具体的には左側のページには式や計算、右側のページには図やメモ書きを書く、という方法です。後から見直すということを考えると、ノートは自分が自分に教えるテキストのようなものになります。そのテキストが見づらいと復習をしようという気にならないでしょう。

 

 

次に算数の学習で使うノートそのものですが、私が見ている限り横に罫線が入っている、一般的なノートを使っている生徒が非常に多いです。しかし、理科もそうだと思いますが、算数においては、横に罫線が入っているノートは実は使いづらいと私は考えています。

 

算数のノートは方眼紙タイプ一択だと私は断言したいと思います。

 

 

 

 

方眼紙タイプのノートだと、面積図が書きやすいですし、図形問題の図を書くのにも適しています。横の罫線タイプのノートですと横線は書きやすくても縦線が書きにくいのが難点です。

 

 

このように式と計算以外の記述が重要だといえるのは、主として偏差値の高い学校では、単に答えを書くだけではなく、正答に至るまでの思考過程を記述しなければならない問題が出題されることが多いからです。

 

記述式問題では、説得力のある言葉を使って解答欄を埋めていく必要がありますが、そのような記述を言葉だけで完遂しようとするとかなりの労力が必要となります。

 

そこで重要な役割を果たすのが図です。例えば、平均の問題で面積図を使って、「アの部分とイの部分の面積が同じになる」のように書けば、平均の問題の概念的な説明を一切省いて、なおかつ採点者に思考の意図が伝わりやすい記述になります。

 

それこそ、「面積図より、ア=イになる」と書いてもOKです。

 

しかも、図でビジュアル的に説明をすることによって、若干説明がうまくなくても、思考過程を採点者に的確に伝えることが可能になります。

 

 

このような答案を作るためには、日頃から図を書く習慣を付けておく必要があります。そして、図を書くためには横の罫線タイプのノートより方眼紙タイプのノートの方が圧倒的に使いやすいです。

 

 

2025年中学受験組の人たちに残された時間はついに365日を切りました。少しでも効率よく効果の高い勉強をしていただくためにも日頃からしっかりと図やメモを書く習慣を付けてほしいなと思うわけです。