本当に些細なことから破局を迎えてしまうカップルは多い。

 

私たちが依頼を受ける案件もそのようなものはとても多い。

 

要するに人と人との関係というのは一度縁が繋がったらそれが永久に続くわけではなく、壊れないように大切に扱わなくてはいけないものなのだ。

 

でもそれを理解して行動に移せている人は極僅かなように思う。

 

人間は時に「どうしてこんなこと言ってしまったんだろう」と思うようなことを感情に任せて言ってしまうことがある。

 

言った本人からしたら、「ごめん、言い過ぎた気にしないで」で済むだろうと思うことでも一度口から発せられた言葉は取り消せず、それを相手がどう受け取るのかは相手次第だ。

 

新井さんとステファニーさんの関係も新井さんは些細なことを感情に任せて言ってしまったことが原因で関係が壊れてしまった。

 

担当者経由の情報では依頼者新井さんは喧嘩が原因ということまでは理解しているようだったが、具体的にステファニーさんが何が嫌だったのかということまでは理解できていないということだったので、今回聞き出せた内容は新井さんにとって知りたかったことだろうと思えた。

 

私は会話を続けた。

 

「そっか。そういうのに細かい人もいるよね。私も電車の遅れで待ち合わせに遅れたりすることあるし、それを言われたらちょっと嫌かも。」

 

「そうだよね?韓国では男性はデートで待たされても文句を言ってくる人はいない。だって、自分が車で家に迎えに行けないのが悪い、って思う人が多いね。韓国の男性は情熱的で、女性をとてもいい扱いしてくれるところがいいと思う。」

 

「そうなんだ!韓国の男性は良いね!一度私も付き合ってみたい!」

 

「聖美が韓国で彼氏を作ろうと思ったらすぐにできるよ笑。ただ、韓国の男性は断っても好きなら諦めない人が多いから、ちょっと日本と違う感じがするかもね」

 

「その元カレさんとは些細なことで別れてしまったと思うけど、ちなみに今その人のことはどう思う?もう顔も見たくない?私は別れた彼氏の顔は大抵見たくないかな笑」

 

「いいえ、全然。悪い気持ちにはならないと思う。そういえば少し前に久しぶり!って連絡が来たの。それで、今は韓国に住んでいること、私は元気よってことをラインしたの。」

 

これは新井さんがステファニーさんを思い出して復縁をしたくて、依頼する前に連絡をしたことを言っている。

 

依頼の内容の中に現在連絡が取れるという情報が書いてあったのを思い出した。

 

ただ、数回やり取りをして彼女から返信が途絶えたため、依頼に踏み切ったという流れだった。

 

「えーそうだったんだ。もしかすると、ステファニーのことを思い出して会いたくなったのかもね!」

 

「うん。なんだかそういった内容の事が書いてあったかな。そして彼が韓国に出張で来るという話も書いてあったんだけど、私は今恋人がいるから、、、どうしようと思って、返信を返していない。

 

なるほど。そこで返信が止まったということだったわけだ。

 

そして彼女に彼氏がいるという情報も初耳だった。新井さんも担当者も知らない話だ。