まただんだんと感染者が増えてきて、日本含め世界中で劇場関係にも影響が出てきているようですえーんオミクロン株の感染力は恐ろしいです…

 

私が所属するチェコ国立バレエ団では週に1度(来週から2度になるそうですあせる)全員PCRテストを行っているのですが、毎回ドキドキしてしまいます。来月初めに大きなプレミアが控えており、団内はかなり緊張ムードです。

12月の「くるみ割り人形」はどうにか全14公演を終えることができました。次の公演も無事に迎えられますようにお願い

 
@state opera, Praha

 

一方で、コロナ以外の理由で、2021/2022シーズンの「くるみ割り人形」が中止になったケースもあるようです。

 

 

「中国の踊り」と「アラビアの踊り」に人種的差別要素があると指摘された為だそうです。

 

「くるみ割り人形」は、1892年ロシアで初演され、以降、少しずつ振付や演出の改定がされながら、毎年クリスマスの時期になると世界中のバレエ団で上演される人気演目となりました。

しかし最近、上記2つの踊りが問題視されるようになってきました。

 

原台本では、第2幕はお菓子の国ジンジャーブレッドマン

アラブ(コーヒー)や中国(お茶)の他にも、スペイン(チョコレート)、ロシア(トレパックという大麦糖の飴菓子)、フランス(葦笛のおどり、ミルリトン)などが登場します。

 

初演当時は、海外へ行くことは簡単ではなく、メディアも発達していませんでした。振付家は行ったことのない遠い異国を想像で描きました。こうして、ステレオタイプの間違った表現が存在してしまいました。


人種問題に関心が高まる現代において、それらが「伝統表現」として許される限界に来てしまたのかなと思います。

 

クラシックバレエはイタリアで生まれ、フランスで成長し、ロシアで花開いた芸術と言われています。「くるみ割り人形」を含む古典バレエ作品の多くは、ヨーロッパが舞台です。また、バレエが発展した時代はちょうどヨーロッパが植民地支配を拡大した時期と重なります。つまり、古典バレエにはヨーロッパ人が中心である文化構造が存在し、振付家が意図していなくてもヨーロッパと非ヨーロッパの力関係が物語や演出に反映されていることがあります。


古典バレエが生き残っていくためには、時代に合わせた進化が必要そうです。

英語の記事になりますが、米国の各バレエ団での工夫を凝らした「中国の踊り」の様子が書かれていました↓


 

このようなことについて詳しく書かれた興味深い記事を見つけました↓


 https://balletchannel.jp/16454 


 

バレエとは関係ないのですが… 

人種問題関連ということで、私が今読んでいる本↓

 

 

最近アメリカで話題になっている本だと大学の先生に紹介してもらいました。

筆者(白人)は、アメリカにおいて人種上のマジョリティである白人は、社会的な「特権」を持っていると言います。「自分は人種差別などしない、偏見などない」と考えることで、偏ったパワーバランスの存在を無視し、レイシズムを(人種差別主義)を内面化しているという厳しい指摘がされています。

アメリカに生きる白人の為に書かれた本ですが、日本においてはマジョリティとして生まれ育った私にも学びの多い内容です。自分には関係ないことしてしまうのではなく、歴史や現状を学び、できることを考え続けていきたいと思います。

 

misato


帰り道、夕焼けが素敵で思わず一枚📸