母が緩和ケア科に掛かった頃、ケア科の医師からケアマネージャーさんを紹介されました。
病院と密な関係のある方なんでしょうね。
電話一本ですぐに担当の方が来ました。

初対面の時、母の体調を気遣ってくれて
「大変でしたね・・・痛いですよね・・・・」と親身に話を聞いてくれたそのケアマネージャーさん。
看護資格も持っていて、ケアセンター主任の女性でした。


母は・・・その方を好きではありませんでした。


ケアマネージャーさんのお仕事は、介護が必要な方等に
介護プランを作成して提案する事です。
日常に必要な物を揃えてくれたり。


様々なものを患者がレンタルしたり利用する事によって、
ケアセンターにお金が入る仕組みの様でした。


母が何度断っても、介護ベッドを推し勧められました。

「まだ生きる!!これから良くなるんだ!!」と思っている母に
「これからトイレも大変になるでしょうから」とトイレ用の手すりを勧めてきたり、
車いすの種類をあれやこれやと説明したり。

「今のままじゃ娘さんが大変だろうから、ヘルパーさんを頼んだ方がいい」と言ったり。
(私は母に会いに行くのが大変だなんてちっとも思っていないのに。)


いつも手には分厚い介護用品のカタログ。
会うたびにそれを広げては見せてくる。
要らないって言っているのに。


母がお腹が痛いと言っていた時。
私は「便秘のせいかも」と言いました。
「肝臓のせい」とは言えなかったんです。
沈黙の臓器である肝臓が痛み出す・・・という事は、本当に末期を表しているんです。
思っても言えなかったし、私自身が「そうじゃない」と思いたかったんです。
1週間以上出ていない便が出るようになったら、痛みがひくかもしれない・・・
そんな願いも込めて浣腸までしました。


そんな時、ヒョッコリ母の所へ訪れたケアマネージャーさん、
母のお腹の痛みに
「あぁ、それは肝臓の痛みですね~。便秘の場合とは場所が違うから~」とあっさり言うんです。
「そうですか・・・」と肩を落とした母の姿、忘れられません。


「生きるんだ!!」「治すんだ!!!」と頑張っている人に
諦めと介護を押し付けるのはやめて欲しかった。
ウソがつけないのなら、黙っている優しさくらい持っていて欲しかった。


ケアマネージャーさん、心のケアを学んでください。
傷つけるだけのマネージャーさんなら、母も私もいてほしくなかった。

どうしてもあの方に感謝の思いは生まれません。