(少し偉そうなことを書きます。私なりに真面目な話です。ご承知ください。)
 
『癌』と分かった時、どう接していくかを迫られます。
選ぼうと思えば、数えきれないほどの選択肢があります。
 
最初の分岐点は、
 ◎ (できれば信頼のおける)医師に一任する
 ◎ 癌を自分の一部と思って生きる
 
かな・・・と思います。
 
母は、後者を選択しました。
 
母と・・・母の癌と・・・たった3年弱の付き合いではありましたが、
たくさん考え、少しずつ学び、多くの選択をしてきました。
 
 
とてもとても大事な事・・・・
 
それは、
 自分のガンの質をよく知る
という事だと思います。
 
本当に、
『癌』と一言で言っても、
一人一人個性があるように
癌にも個性があります。
 
『癌』と、ひとくくりにはとても出来ません。
 
 
 ・放っておいても大丈夫なもの
 ・大きくはなっても、転移はしないもの
 ・転移しても他の臓器では悪さをしないもの
 ・ひたすらどんどん増えていくもの
 ・増えるし転移もするしあちこちで悪さをするもの
  (そのスピードも様々)
 
 
母の癌の質は、かなり悪いものであったと思います。
それは、告知当初の検査でもある程度解っていました。
 
病院にすべてをお任せするならば、
 「即、全摘出および抗癌剤治療」という流れでした。
 
もし、すぐにそれらの選択をしていたら母の癌は完治していたでしょうか・・・・
 
それは、『否』だと思います。
 
医師により考え方もまちまちですが、
母が信頼をおいていた川崎の医師は
『癌は表に出るまでに10年。性質は最初から決まっている。あなた(母)の場合には
癌が表に出てきた時には、見えなくてもすでに他の臓器に転移・浸潤していたと考えていいでしょう」と。
 
母がもし、最初の段階で全摘+標準治療を受けていたとしても、結果は得られなかったであろうと
はっきりとおっしゃいました。
 
それでも、成功すれば少しの延命はあったかもしれません。
ただ、手術のデメリット、抗癌剤等の副作用を考え、
『どう生きるのか』 『どう生きたいのか』 を母は考えたのです。
 
 
『癌からの生還』
『こうして癌を克服した』
などと、テレビでもよく芸能人の方などのドキュメンタリーを目にしますが・・・
正直・・・・今の私には溜息がでます。
 
 
中には、切除した方が良いもの、抗癌剤が効果を得るもの、その他、
世間にある、あらゆる療法が時には効果をもたらすこと・・・
それは勿論あると思います。
 
 
ただ・・・
「こうすればガンを克服できる」なんて
簡単に言えるものじゃないのだと、
今はっきり思います。
 
だって、癌は人によって全く違う性質を持つのだから・・・・・・・
 
 
 
もちろん、
私も母も、奇跡を信じて
ずっとずっと諦めずに
一生懸命に向き合ってきました。
 
私にとっては最愛の母です。
簡単に亡くしたくなんてないのです。
 
治療から逃げたわけでもありません。
 
ずっとずっと向き合ってきました。
 
 
告知から2年9ヶ月。
短かったでしょうか・・・
出来ることなら、もっともっと
いつまでも生きていてほしかった。
 
でも、母は母の人生を全うしました。
 
 
ただ・・・・・・・
 
最後に受けたリンパの放射線治療だけは
どうしても『良かった』と思えません。
 
あれは、放射線科の医師に半分強制され、そして私も簡単に勧めてしまったものです。
母の意思ではありませんでした。
 
骨転移への痛み軽減のために、放射線治療を受けたところまでは良かったと思えます。
ただ・・・麻痺した腕の痛みを取るために受けた、35回の放射線は、
正直、
代償が大きすぎました。
 
 
私は、もう
後悔してもしきれません。
 
前向きに生きようと思っても
どうしてもどうしても
選択を間違えた・・・簡単に考えすぎた・・・・
そう思えてなりません。
 
 
だからどうか・・・
出来るだけ
ご本人も
支える方も
 
本当に本当に
たくさん考えて選択してもらえたら・・・と思います。
 
 
私は、癌を完治させる方法は知りません。
いまだ、どうしたら母の癌を消せたのかはわかりません。
 
でも、
どうしてもやりどころのない思いを抱いている方がいらっしゃったら、
私でよければ
一生懸命に一緒に考えます。
 
こんな私で力になれることがあれば
いつでもメッセージください。