抗がん剤には、ある程度有効な癌と、そうでない癌があるんだって。
抗がん剤が有効な癌っていうのは、小児癌・子供の急姓白血病・悪性リンパ腫など。
“胃がん・乳癌・大腸癌などにあまり効果が期待できない”というのは、医師の中では常識なのだとか・・・。
もちろん、患者にそのことを伝える医師がいるわけはなくて、『癌』となったら「はい、抗がん剤」みたいに
当然そういう方向で話が進んでいくんだけど。
じゃぁなんで期待できない抗がん剤を勧めるかと言えば、それが国で決められた『標準治療』であり
多くの医師は他に『術』がないから。
そしてその『標準治療』を行っている限り、患者の癌が悪化したって死に至ってしまったって、医師の責任は
問われないから。
もちろん、抗がん剤が『ゼロ』ではないとも思う。
効果が思った以上に出たっていう患者さんもいるだろうし、抗がん剤によって癌の転移や再発を
少しの間抑えておく事だってできると思う。
でも、抗がん剤は決して『癌を治す薬』ではない。
少しの間癌の進行を止めておく・或いは進行速度をゆるめる・・・というのが抗がん剤というもの。
そのうち今使っている抗がん剤に体が慣れて、癌が抗体を持つようになると、その抗がん剤は完全に
効かなくなって、『転移・再発』という形で現れてくる。
そうなると今度は「じゃぁ今度はもう少し強い抗がん剤に変えましょう」っていうことになる。
そうしてそれをどんどん繰り返して抗がん剤もどんどん毒性の強いものになって、対抗する癌自体も
どんどん強くなって、最終的に全部の抗がん剤を使い尽くしたときに「もう手の施しようがありません」って
言われることになる。。。
そうなった時には、ひたすら抗がん剤の毒に耐え続けた体はもうボロボロで、体力も免疫力もなくなっていて
風邪ひとつひくだけで重症化してしまうような状態。
それなのに、医師はそんな状態で「手の施しようがない」なんて形で患者を放り出す・・・。
抗がん剤がいずれ効かなくなることなんて、よく考えれば当たり前のことなんだよね。
うちの長女は皮膚が弱くて、すぐ脇とかに赤いプツプツが出てくるんだけど、病院に貰った薬も
最初はスッと消えて良くなったように見えるのに、決して治ったわけじゃなくて薬を塗るのを止めれば
そのうちまた赤いプツプツは現れて、また薬を塗るんだけど今度はその薬が効かなかったりする。
そしてまた病院へ行くと「それでは薬を変えましょう」ってことになって、繰り返しが始まる。
抗がん剤も皮膚の薬も、結局同じことなんだよね。
だから『薬を使って治す』なんてことはできなくて、やっぱり自分の体の中の改善をするしかないんだって思う。
お母さんが『延命』を望んでいて、どんな形でも生きてさえいられればいいって考えで、
少しの延命のために抗がん剤治療を選択するんならそれはそれでいいって思う。
でもお母さんはそうじゃない。
抗がん剤でただ命を繋ぐことを望んでるんじゃない。
抗がん剤によって体が弱って食事も摂れなくなって病院で殆ど寝たきりになってしまうような生き方を望んでるんじゃない。
人として、普通の生活を続けたい。自分の布団で寝て、ご飯作って、食べて、歩いて、働いて
些細なことで笑って泣いて・・・そんな、今までと変わりない生活をしたい。
それがお母さんの望んでいることだから、私は抗がん剤を勧めない。
味方の少ない選択だけれど、お母さんと自分を信じて、お母さんの癌とこれからも向き合っていく
