大好きな大好きなお母さんの乳癌を告知されたのは10日前。
2012年1月6日。
お母さんから胸のしこりのことを聞いて、すぐに病院へ行くように言った。
2週間前から気になっていたのだという。
「ついて行くよ!」と伝えたけれど、「大変だからいいよ、ひとりで大丈夫」と言ってその日のうちに病院へ。
どんな結果であっても必ず連絡してね、と念をおした。
朝早く行ったものの、実際に診察してもらえるのは13時過ぎとのこと。
初めは「きっと大丈夫。なんてことない」と思っていたけれど、15時過ぎても連絡がなくて電話にも出なくて
だんだん悪いことが思い浮かんで・・・3回目の電話を掛けたあと、お母さんから掛かってきた。
「もしもし!ごめんね、今もう病院終わってお買い物してたところ」と元気な声のお母さん。
―なんだ、よかった― と一瞬思って「病院は?どうだったの?」と聞くと
「うん、残念な結果だったけどね。でも、まだやらなきゃいけないこともあるし。」と言う。
―残念な結果って何?また冗談言ってる・・・?―と思っていると、
「乳癌だったよ。これから転移の検査をしていって、治療方針を決めるって」。
「お母さん、もし末期だったらやりたいことやって余生を過ごすからね」と比較的明るい声で一気に話すお母さん。
私はそれについていけず、受け入れられず、なかなか言葉がでない。
何も言えないまま「じゃあまた連絡してね」と電話を切った後、少しずつ今のお母さんの状況を理解し始めた。
その時の私の感覚では、『ガン』=『死』。
思わず涙が溢れて、その時のお母さんの姿を想像した。
きっと、病院で一人検査結果を聞いて、ショックで、泣きたくて、でも娘の私に悲しんでる姿は見せられないから
自分で自分を落ち着かせて、気丈に振舞えるようになってから私に電話してきたんだ。。。
そんなお母さんを想ってまた泣いた。
家に帰ってからも涙は止まらなくて、何もやる気が起きなくて、ただただ泣いた。
私のまだ小さな娘達が、不安になってはいけないから、キッチンで声をころして泣いた。
きっとお母さんも泣いたんだろう。。。
夜、布団の中で目をつむると、悪いことばかりが思い浮かぶ。
「そういえば少し前に頭や腰が急に痛いって言っていたな・・・」
転移のことを考えると怖くて眠れない。
悪いことしか思いつかない。
怖い・・・怖い・・・
日付が変わってようやく眠りについたころ見た夢は、この世が終わる夢だった。
怖くて起きて、また現実に戻って、昨日の出来事が夢じゃなかったのだと実感してまた悲しくなる。
また涙が溢れてしまって、布団の中で泣いた。
そのまま泣いて泣いて、眠れず朝を迎えた。
明け方、パソコンを開いてまず私がしたこと。
いい病院を探すこと。
テレビで出てくるようなスーパードクターに診てもらえば治るはず!そんな考えで。
それから、私が交通事故に遭って入院した時にお母さんが貰ってきてくれたお守りのことを思い出した。
確か私とお母さんの守り神だと言っていたな・・・。
記憶を辿って調べてみた。
そして私もお母さんのために行って来ようと思った。
この時の私はまだ、医者頼み・そして神頼み。
ただそれだけ。