お客さんさあ、台風が来る前だとか大雪になりそうだとか、そんなとき、なんかわくわくしてなかった?
大人たちは日常とは違ったことをしてたりして子どもながらにそんな雰囲気を感じ取ってたじゃん。
まあおれが子どもの頃といえば、どこの家も木造建築の家だからさ台風のような嵐ともなればそこかしこの補修も必要なものでさ。
あれやこれやと大人たちは奮闘してたわけや。
おれんちなんかボロ屋だったからそうだったぜ。
なんかねえ、そういうことがお祭りじゃないけど一つのイベントが始まる準備のようにさ子どもの心は踊り出すようにワクワク感に溢れていたのよ。今の時代の家は昔より頑丈にできているから嵐の前でも日常の生活ができてる。
住んでる場所によってはそうではないところもあるでしょうけど。
でもさあ、子どもながらに分からなかったのが、台風が来ると分かってるのに学校に来られる人は来なさいなあんてことを平気で言ってた。
だからおれなんかわ学校に行ったよ。
親だっていつものように送り出してたしね。
でも結局学校は早引きになるんだけどね。
だったら休みにしてもいいじゃんって思ってたぜ。
お客さんのところではどうだった?
嵐の前は大人になってもやっぱり子どもの心が僅かな芽が出たりして。
不謹慎かもしれんけどさ、関東平野で安全がほぼ保証されてるような土地に住んでるおれなんかそんなところがあるぜ。
お客さんはどんなところに住んでるのか知らんけどおれのようなところなんかでは同じようなもんだと思うけど。
今年の5月にアマチュア無線のアンテナを下ろしたのでとりあえずは台風がいつ来ても心配しなくていいので、そこの部分はほっとしているわ。
なんてったって隣には4回建てのマンションがあるからそれより高く上げないと、全方向が確保できないから無理したわけよ。
なんてったってさあ3.6Mの一本のポールに八方向からワイヤーで支えてたのね、台風とか春一番とかは巻き上げる風だから安全だとはいえないわけよ。
一度だけ春一番の風で少し斜めにされたことがあるから。
台風だけはものすごく心配だったよ。
そんな不安の材料がなくなってもこのところの天候の異常さにはさすがについていけないわ。
おれんちわよ、西に中川東に江戸川に挿まれているのね。
これがさ、溢れた日にはどんだけの浸水になるか。
そういった僅かな心配が。
なぜかってか? 溢れるなんてことはまあないだろうけどなあんて、よく言うところの、おれだけは大丈夫っていうところの変な安心感。
ねえ、お客さん、おれなんかわ子どもの心と大人の心が出たり入ったりしてるってこともいえるかもな。
いつ来るか、心揺れるや、善悪か。
心の一句。
こんなところで、おひらき。