きょうのように寒くて雨の降るこんなときは、ぼーっとレコードを聴いていると、なんともいいんだねえ。
だけどさ、おれんちにはターンテーブルがない。
レコードはそこそこあるのに手が出せない。
CDならしこたまあるんだけど、長くは聴いていられないんだよね。
アナログは耳にやさしくて1日中でも平気でいられる。
デジタルはいいんだけど耳が疲れて一休みしないといられない。
どうしても音が固くてさ。
なんとかならんもんかね。
そんなわけでさ、おれはCDを聴くしかない。
これでもかってという中には最近のCDははほとんどないんだな。
おれの10代の頃に夢中になっていたフォークやグループサウンズなんだな。
まあ、その後のアイドルなんかも山ほどあるけどね。
きょうはこれなんだ。
タイガースのシングルコレクション。
音楽の力ってすごいよね。
その曲を聴いただけであの時代に引き込まれていくんだもんな。
おれねえ、このタイガースの曲で、銀河のロマンスという曲が、どういうわけか聴いてるうちに体調を崩して寝込んでいたあの日を必ず引き込まれるんだよ。
もっと思い出があるんだと思うけど。
やっぱりだめなんだな。
もう一つあってね。
はしだのりひことシューベルツで白い翼に乗ってというタイトルだったかな?
その曲を聴くと、うちの学校の隣の中学の女子生徒とすれ違った曇った夕方の日を思い出すわけよ。
おれはその子は知らないんだぜ。
どんなインパクトがあったのか分からん。
とにかく、そこの中学でよく流していたことは覚えてる。
音楽の力って不思議やねえ。
意思とは関係なく時として引き摺り込まれる。
そういうことってお客さんはどう?
ドーナツ盤、落とした針で、帰る過去。
心の一句。
こんなところで、おひらき。