「その後どうですか?」

「変わりないです」

「変わらない?」


(診察メモを渡す)


「考想化声、考えが漏れる、聴覚過敏、

否定的な幻聴・・・1日4回セレアキを飲んだんだね?」

「はい」

「これはどこから?」

「前の週に頓服で貰ってた分を飲みました」


「『薬を飲むな』って聞こえたの?自分でも

こんなに飲んだらダメだと思ってる?」

「いや、逆に今は必要なんだと思ってます」

「そうだね」


「じゃ、1日4回で出すかな」

「お願いします」

「6mgを4回、24mgか。副作用はない?」

「はい」


「今は症状がひどいから副作用までは

行かないのかな。症状が軽くなったら、

よだれが出るとか手が震えるとか

あるかもしれないから、その時は中止して」

「はい」


「飲んで40分くらいで効いて、

3時間くらい効果があります。

少し眠れたら違うんだろうけど」

「あー、セレネースにはそういう効果は

期待できないよ。ロドピンやヒルナミンの

ような鎮静効果はないから」

「そうなんですね」


「セレネースはドパミンをがっちり抑え込む薬で、

レキサルティなんかは適度に抑え込むんだよね。

やっぱり純さんの場合は統合失調症というよりは

解離性障害だと思うんだ」


「なぜなら統合失調症は症状が続くし、

薬もずっと飲まなくちゃならない。

純さんはそれが波として現れるから

統合失調症とは違うと思う」


「先生、今スマホお持ちですか?

見ていただきたいものがあって」

「持ってるよ、なになに?」


ネットで拾って来た文献を教えました。

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1405100839 


先生もこれを見て確信したように
「やっぱり解離性障害だよね」と。
「これ、本が(医局に)あると思うから見ておくよ」
と言っていただけました。

処方はまだあと2週間分あるので
セレネースとアキネトンだけ
貰ってきました。

「朝、昼、夕(食後)、寝る前にしておくよ」
「調整して良いんですか?」
「うん、調整可にしておくから」

「来週もCBTどころじゃないよね?」
「はい」
「普通の診察にしておこうね」
「お願いします」

「純さんからは何かありますか?」
「いえ、症状でいっぱいいっぱいです」
「だよね、では来週。お大事に」
「ありがとうございました」