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「え!?!?へーゼルを首都の病院に移すって!??」と、ノア。
「そうなの、ノアさん」と、オフェリアが気落ちして言った。
「手術でもするんですか?」と、ナスターシャ。
「違うの、へーゼルの容体が、昨日の晩悪化してね。このままじゃ持たないって、お医者さんが。とりあえずできるなら首都のいい病院に移さないと、って」
「あの、お医者さんには、兄上様が、星のしずくをとりに行っていて、それを待つという手段があるということは言ってあるんですか??」と、ノアが慌てて言う。
「もちろん話したわ」と、オフェリアが椅子に座って言った。
「けど、旅は一向に終わらないし、ラインハルトたちは帰ってこないし、とりえあずヘーゼルはこのままだともう数か月も持たないのよ、だから、首都の病院で、ラインハルトたちを待つことにするの」と、オフェリア。
「・・・・そうですか・・・」と、ナスターシャ。
と、その時、小窓をノックする音がした。
オフェリアが近づく。
「あら、小鳥さんだわ」その言葉にピンときたノアは、立ち上がってその小鳥の足元を見た。確かに手紙をぶら下げている。
「待ってください、オフェリアさん」と言って、ノアが代わりに手紙を受けとった。宛先人は「ノア氏」だった。
「ラインハルト兄上様からの手紙のようです」と、ノア。
「まあ!」と、オフェリア。
「私にも読ませて、ノア!」とナスターシャが言う。
「どうやら、星のしずくの居場所が分かったのと、今東リラのとある町まで到達した、とのことです!」とノアが言う。
フーヴェルは働きに出ていたが、3人は、居間で、机を囲んで、その手紙を回し読みした。
「どちらにせよ、このままだとヘーゼルは持たない。首都の病院に移すことを、ノアさん、返事に書いて下さらないかしら」と、オフェリア。
「お安い御用です」と、ノア。
「私からも一言」と、ナスターシャが意気込む。
こうして、返事の手紙をしたため、ノアはコムクドリに手紙を頼んだ。
「頼んだぞ、ヘーゼルの命もかかってるんだ・・・・」と、ノアが心の中でつぶやく。