和歌山市今福に、和歌山の文明開化を象徴する「郭家住宅(旧郭医院)」が遺り、道行く人々に親しまれています。今回この貴重な建築について見学会と数寄屋での煎茶会を開催するそうです。
郭家住宅は今日まで140年のあいだ郭家のご努力で維持されてきましたが、老朽化が進み今後も郭家個人で維持することが困難となっています。和歌山市の歴史を物語るこの建築を後世に伝えるため、今後は地方公共団体や市民による保存活用が望まれます。
郭家住宅の洋館は、明治維新まもない明治10年に医院の待合室兼薬局として建築されたもので、それまでの鎖国から一転し西洋の文物を積極的に取り入れるようになった時代精神を象徴するものとして興味深く、全国的に見ても貴重な建築です。さらに背面に位置する数寄屋も、陸奥宗光の生家伊達(だて)家から移築したと伝わる非常に質の高い住宅です。これらの建築は研究者から国指定重要文化財クラスと高く評価されています。
これらを建築した郭百輔(かくひゃくすけ)は、紀州藩の御殿医でしたが、維新後は、近代西洋医学の普及を目指して和歌山医学校兼小病院(日赤医療センターや県立医大の前身)の設立に奔走すると共に、自らこの洋館を建て医院を開業し、当時十分普及していなかった西洋医学による治療を行ったのでした。
和歌山市は戦災や戦後の高度経済成長期に数多くの貴重な文化財を失いました。今日まで遺る郭家住宅は大変貴重な和歌山の宝です。皆様方にご見分いただきたく思いますので多くの方々のご参加をお待ちします。
日時 2016年2月14日(日)
見学 10時から16時まで
案内解説:10時から、13時から(その他随時解説)
煎茶会:10時半から、14時から(先着順)
場所 和歌山市今福一丁目6-6
対象 一般市民の皆さま(参加無料、申込不要)
主催 一般社団法人和歌山県建築士会
後援 和歌山市、和歌山市教育委員会
詳細 「郭家住宅見学会・煎茶会」の詳細
(PDF)
掲載担当課
和歌山市 産業まちづくり局 都市計画部 都市再生課
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